DIRE STRAITS
DIRE STRAITS(UK/英)
#163 / MAKING MOVIES / 1980
★★★★
78年に「悲しきサルタン」で衝撃のデビュー(全米2位、全英5位)を飾ったUKバンドの3rdアルバムです。ちなみにハード・ロックじゃございません。カントリー・ロックというかブルース・ロックというか、音は軽めでね、この時代に売れそうもない音楽を引っ提げて突然現れました。しかも英国から。このバンドは、とにかくギター&ヴォーカルのマーク・ノップラーです。”悲しきサルタン”を初めて聴いた時は、ボブ・ディラン風の唱法(後にディランのアルバムに招聘されちゃったりして)に笑っちゃったけどね。ところがリード・ギターもバッキングも、やたらとカッコいいものだから、プチ嵌りしてレコードまで買ってしまった。そんなわけで、イチオシとしてデビュー作と迷ったのですが、一番好きな曲”トンネル・オブ・ラブ”が入ってるこちらをチョイスさせて頂きました。今作は全英4位、シングルカットされた”ロミオとジュリエット”が全英8位、同”メイキング・ムーヴィー”が37位、同じく”トンネル…”は54位というヒット曲になっています。デビュー作を買ったことで落ち着いちゃったのかな、しばし忘れていたところで偶然エアチェックした”トンネル…”は、これまた衝撃的でね、何度も繰り返し聴きましたよ。特にギターソロパートの徐々に盛り上がるところが感動的です。フィンガー・ピッキング(サムピックも不使用)特有の柔らかいタッチが新鮮でした。その他の曲は…ほぼ思い入れないかな。レコーディングセッションの段階で、弟のデヴィッド・ノップラー(これまたフィンガー・ピッキング)が脱退してしまい、2ndギターが交代しています。マルコム・ヤング的な役割にはなれなかったのね。
#455 / DIRE STRAITS / 1978
★★★★★
全米2位、全英5位でともにダブルプラチナムの大ヒットを記録したデビューアルバム「悲しきサルタン」です。売れそうもない音楽性で大成功(全世界で売上1500万枚は、PINK FLOYD「狂気」やBEATLES「赤盤」級なのね)、本人たちも驚いたことでしょう。たしかに、我々が高校時代に突然登場した“Sultans of Swing/悲しきサルタン”(全米4位、全英8位)はインパクトがありました。特に歌い出しだね。仲間内で最初は「何だコレ!?」という小馬鹿にした感じだったと思いますが、リピートするうちに嵌ってしまい、他の曲も聴いてみたくてレコード買うことに。期待は裏切られ前出曲を超えるものはありませんでしたが、買った手前、定期的にターンテーブルに乗せてましたな。なので”Down to the Waterline/水辺へ”、”Setting Me Up”、”Wild West End/かつて西部で”あたりはお気に入りです。マーク・ノップラーの特異な歌唱(ボブ・ディランが真っ先に想起されますが、なんとディランのアルバムに参加することに)だけでなく、ギタープレイがまた素晴らしかった。というかギタリストがボーカルも兼務していたわけ。歌い方同様、個性的な爪弾きでね、長めのギターソロで曲を盛り上げていくのが気持ちいい。ジェフ・ベックに次ぐ爪弾き名人ということで、歴史に名を残すギタリストになっているので、一聴の価値ありですよ。
#1924 / ALCHEMY:DIRE STRAITS LIVE / 1984
★★★★
公式には「ALCHEMY:DIRE STRAITS LIVE」。CD化されてから初めて聴いたファースト・ライブ・アルバムです。83年ロンドン・ハマースミスオデオンでの音源。とりあえず、お気に入りの”かつて西部で”も、”悲しきサルタン”も、”トンネル・オブ・ラヴ”も収録されているのですが…ライブ尺でやたらと長いのがちょっとね、なんならスタジオバージョンの完コピみたいなテイクの方が良かったんだけども。それぞれ13分、11分、14分半だもの、この尺だとダレちゃうよね。映像作品(同DVDも出てます)ならまだ我慢できそうだが。サックスでご存知クリムソ・ファミリーのメル・コリンズが参加している。このライブ盤リリースの翌年、バカ売れアルバム「BROTHERS IN ARMS」が発表されるわけですね。全英歴代売上げが2016年時点で第8位だそうですよ。ちなみに1位はQUEENの「GREATEST HITS」、2位がABBAの「GOLD」、3位がBEATLESの「サージェント・ペパー」…中略…6位がマイケルの「スリラー」で7位がPINK FLOYDの「狂気」という錚々たる顔ぶれ。これらに肩を並べるとはね、マーク・ノップラー自身もビックリしただろうな。