CORONER
CORONER(Switzerland/瑞西)
1401 / R.I.P. / 1987
★★★★
小回りが利くトリオ編成から放たれるのは、曲構成に拘ったテクニカルでドラマチックなスラッシュメタルです。メンバーはCELTIC FROST(そういえばトリオだね)のローディーだったそうだが、親分を凌駕するデビューアルバムを作っちゃったね。CELTIC FROSTに似てなくもないけど…ベース&ヴォーカルによる吐き捨て型の歌唱こそ普通ですが、ベースプレイは尋常じゃないテンションでかっこいいし、ギターも適度にテクニカルで気持ちいい。アルバムの構成も面白くてIntroが3回あるんだぜ。エンディングにはOutroを配してるから三幕構成ってことなんだろうか。イントロからの“Reborn Through Hate”、イントロからの“Nosferatu”、イントロからの“Totentanz”と…独立したイントロダクションを奢った大仰な聴かせ方をしております。ピアノやアコギを駆使したイントロはどれもオイシイが特に“Nosferatu”のイントロが良かった。吸血鬼との関係性が謎ですが爆撃のSEが雰囲気を盛り上げる。本編のインスト曲もグッド。IRON MAIDENの手法かな。そういえば“Reborn…”もリズムチェンジの妙で聴かせるメイデン調。アルバムのハイライトはタイトルチューンで、そこで聴けるベースプレイはピック弾きだとしても凄いね。これもスティーブ・ハリス愛かな。ベースの音を鮮明にしたリマスター盤を希望します。作品を重ねる毎にテクニカルスラッシュ度が増して、ジャンルに括りきれない演奏を聴かせてくれるらしいので、デビュー作だけ聴いてバンドを知ったつもりになってはいけないらしい。次は独創性が開花したと言われている4thあたりを聴いてみたいと思います。