Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

CANARIOS

CANARIOS(Spain/西)

#50 / CICLOS / 1974

★★★★★★★

Canarios ciclos (320x313)

プログレ四天王をはじめとするメジャー級グループのマスターピースとは別に、マイナーリーグのプログレ作品中にも傑作と呼べるアルバムがあります。定期的に聴きたくなるってところがポイントだと思うのですが、カナリオスの4thにして最終作となった『組曲「四季」』もそんな1枚(アナログ2枚組)なんですね。前作まではファンク/ソウル系の音楽を演っていたらしい。中心人物のエドゥアルド・バウティスタが、メロトロンをはじめとするシンセサイザーや電子音楽に興味を持った結果メンバーを一新(切られたメンバーは新たにファンク/ソウル・バンドを結成)して制作した、自身のイメージを具現化したソロ作品のようなものでしょうか。もう一人の重要人物であるアレンジャーのアルフレッド・カリオン(スペインでは有名らしい)の手腕なくして、この傑作は生まれなかったことも間違いない。かなりの時間を費やしたであろう数多のアイデアが詰め込まれた所謂奇蹟の1枚となりました。タイトルから想像される通り(いや想像を遥かに超えてるんだけども)ヴィヴァルディの「四季」をバンド演奏しています。もちろん春夏秋冬のアレンジが主軸になっているのですが…冒頭の、赤ん坊の泣き声と女声オペラに代表されるような大胆なアイデアが、絶妙にブレンドされている。アルバムタイトルの「シクロス」(ジャケ違い盤では「チクロス」)は英語のcycle=周期とか循環の意。つまりコンセプトとしては、「四季」を通じて、人の誕生から死という人生の旅(輪廻転生)と、創世記からヨハネの黙示録までの聖書を巡る旅が同時進行しているらしいです。掘り下げていく楽しみ方もありますが、とりあえず細かいことは後回しにして肩肘張らずに堪能すればいい。バンド形式のロックアレンジに留まらず、メロトロン等の多彩な鍵盤類、効果的なSE、オペラや混声合唱(宗教色が滲み出る)なども聴きどころ。更には、衝撃的な前述冒頭部分をはじめ、楽章間にオリジナル曲を挟み込んでみたり、思いつく限りのアイデアが一大絵巻として再構築された1枚となりました。そりゃ燃え尽き症候群になるだろうねってくらい。ちなみに高校時代、クラシック音楽を自発的には聴いていない。だから、有り得ない話だとは思うけれど、記憶の中ではこっちの「四季」を最初に聴いた感じになってるかも。それくらい強烈な印象があるってことね。今作を最初に聴いたのはラジオでした。カセットテープのラベルに書かれた文字は記憶にあるからエアチェックしたのは間違いない。「PROGRESSIVE ROCK」と自分でタイトルを書いた1本の思い出深いカセットテープがあります。エアチェックしたのは、ユーロプログレ特集的な番組だったと思われる。NEW TROLLSで始まる90分テープ(ラベルには「ニュ・トロルス」と書いてある。ちなみに最後に録音されているのはPULSARでラベルには「パレサー」と)なのですが、肝心のカナリオスの曲がないわけよ。カセット1本では収まりきらず2本に分けて録音したものの、その2本目を紛失したといったところでしょうね。当該番組では、イタリア、ドイツ、フランスを中心に、オランダのFOCUS、オーストリアのEELA CRAIG、ハンガリーのOMEGAなどがオンエアされていたゆえ、そこでスペイン代表としてカナリオスも紹介されたのではないかという記憶。オンエアリストでも残っていればスッキリするのに。特に「春」が耳に残っているのは、オンエアされたのが「春」だけだったから?



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