BEACH BOYS
THE BEACH BOYS(US/米)
#129 / ENDLESS SUMMER / 1974
★★★★★
1961年にシングルデビューしているので、BEATLESやBOB DYLANより少しだけ先輩になるんだね。その後BEATLESとはライバルの構図が出来上がり、互いに刺激を受け、切磋琢磨していくことりなります。ビーチボーイズの音楽性はサーフミュージックであり、サーフミュージックと言えばビーチボーイズ。つまり、このグループもブランドを確立した唯一無二の存在ということ。他にもサーフミュージック・バンドは存在したけれど、トップを独走していたのは間違いない。何しろデビューが古いから、子供の頃から耳にする機会も多く、いつの間にか刷り込まれていたのはビートルズ同様でした。そして、ラジオで聴いた想い出の断片を満たしてくれたのが、全米1位を獲得したこのベスト盤「終りなき夏」というわけ。”Sufin’ Safari”、”Surfer Girl”、”Catch a Wave”、”Surfin’ U.S.A.”、”Little Deuce Coupe”、”Fun, Fun, Fun”、”I Get Around”、”California Girls”、”Help Me, Rhonda”、”Good Vibrations”などなど、タイトルを見れば即座にメロディが思い浮かぶ曲ばかりでしょ?とりあえず有名曲はほとんど入っているのでお薦めです。いくら好きとはいえ、ビーチ・ボーイズのようにオリジナルアルバムが数十枚ともなると、全部揃えるのはあまりにも効率が悪い(金銭的にも)よね。そんな時はやっぱりベスト盤が便利です。ところがですよ、そのベスト盤にしたって、レジェンドクラスともなれば相当な選択肢があるわけで、よく吟味しないと曲カブリが大量発生することになる。あれこれ組み合わせて2~3枚も入手すれば、聴きたい曲が網羅できると思います。一聴すれば気分はサマー、一家に一枚ビーチ・ボーイズ!
#302 / 15 BIG ONES / 1976
★★★★
中学生の頃、音質の悪いラジカセでエアチェックに明け暮れた日々、少ない知識ながらそれなりに取捨選択して録音していました。ビーチボーイズは有名グループだったし、すでに知っている曲も多かったので迷わず録音。数々のヒット曲に混じってオンエアされた “Rock and Roll Music”(全米5位)収録のコレで1976年にタイムスリップできるのです。今作「偉大なる15年」は邦題どおりデビュー15周年の節目にリリースされ、ノイローゼで長らく離脱していたブライアン・ウィルソンが復帰した作品(「ペット・サウンズ」以来のプロデュースも)でもあり、久々のゴールドディスクを獲得しました。それを受けてのオンエアだったと思われます。アルバムとしては他に有名曲が無いのであまりお勧めできませんが、件の曲をはじめ半分以上がカバー曲というレアな作品ではある。ナンバーワンヒットも含む曲のカバーだから出来もそれなりにいいしね。思い出の1曲のために思い切って買ってしまいました。”Rock and Roll Music”はビートルズのカバーが有名ですが、ビーチボーイズ・ヴァージョンの方が好き。というか、たぶん最初に聴いた“ロックンロール・ミュージック”がコレだったからという有りがちな理由ですわ。ちなみにオリジナルはチャック・ベリー(’57)ですが、古すぎて問題外。ちなみに、その後ベスト盤「MADE IN U.S.A.」を入手したので今作は用済みに。結局ベスト盤かよ!
#366 / ALL SUMMER LONG / 1964
★★★★
洋楽を聴き始めた中学生時代、ラジカセでランダムにエアチェックした音源の数々。その90分なり120分なりのカセットテープを、ヨレヨレになるまで聴いたとしますな。そりゃあもう記憶に深々と刻み込まれるわけです。大人になり懐に余裕が出てきたら、それらをコンプリートしたくなりませんかと。何しろ昭和51年のラジカセ音源だから音質は酷い。ステレオかモノラルかも微妙でね。今やデジタル時代ですよ。やっぱいい音で…聴いてみたいと思いませんかぁウフッフー♪1本のカセットテープに40曲録ってあったとして、ランダムに録ってるから下手すると40アーチストってことになる。その1曲1曲のために40枚のCDを買う馬鹿がここに居るって話だ。私は “I Get Around”(初の全米1位)のためだけにこのアルバムを買いました。ベスト盤があれば事足りることはわかったうえで、敢えての購入。収録時間は25分半!お目当ての曲以外だと、タイトル曲、”Little Honda”、”Wendy”、”Surfer Girl”によく似た雰囲気(コレを言い出したらキリがないけれど)の”Girls on the Beach”あたりが聴きどころでしょうか。インストも2曲ある。面白くない曲だと思っても、すべて3分以内に収まっているから安心だ。すぐに聴き終えてしまう。
#645 / SURFIN' SAFARI / 1962
★★★★
ジャン&ディーンのデビューから遅れること数年。サーフミュージックのオリジネーターを超えるクオリティを提示したデビューアルバムです。同年イギリスではビートルズもアルバムデビューですよ。比較される音楽ではないかもしれませんが、本人たち(ポール・マッカートニーとブライアン・ウィルソン)はそれぞれアメリカ代表、イギリス代表としての使命感から、切磋琢磨してきたのでしょうね。ビートルズが「サージェント・ペパー」を世に送り出したことで両者の戦いに決着がつきましたね。その歴史的アルバムにしても「ペット・サウンズ」があったからこそ。ライバルって必要だよね。さて、このアルバムにおける想い出の1曲は“Surfin’”と“Surfin’ Safari”です。想い出の2曲でした(笑) これらも例のカセットテープ(SONY C120)に録ってあったんだよ。
#989 / PET SOUNDS / 1966
★★★★★
オールディーズのカバーや職業作曲家に作品を提供してもらうのが主流だった時代、オリジナル曲では勝負させてもらえませんでした。売れないと困るからね。サイケな連中が少しずつオリジナルで勝負し始めるも市民権を得るまでには至らず。そんな中でデビュー作からオリジナルで勝負してきたBEATLESが「SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」をリリース。実験的なアルバムでも売れることを証明したのでした。BEATLESだからこそ成し得たわけですが、先鞭を付ける役目はBEATLESしかない。けどそのBEATLESを刺激したのがこの「ペットサウンズ」だったわけだから、これもまた間接的に歴史を変えた1枚といっても過言ではないのです。凝った音造りにポールが「やられた!」と思ったらしいよ。同期でライバルであるが故かもね。そもそものきっかけはBritish Invasionでした。その筆頭だったBEATLESをギャフンと言わせたいとブライアン・ウィルソン(アメリカ代表)が思うのは自然の流れだったのでは?この完成度の高さは、ほぼブライアンのソロ的な異色作であるがゆえに成し得た偶然の産物だったかもしれません。彼の地の宿敵の「RUBBER SOUL」や「REVOLVERを超えてやるという明確な目標のもと制作されたのではないような気がするね。結局、同年発表の「REVOLVER」を挟み翌年リリースされた「サージェント・ペパー」に倍返し(笑)されてしまうのでした。「サージェント・ペパー」は音楽史の節目とされる歴史的名盤中の名盤となりました。(プログレの始まりなんて位置付けをされることもあります) こうした事情を知った後で「ペットサウンズ」を聴いてみると、なるほど昔にしては高密度な音楽だなと感心します。コンセプトアルバムの様相を呈しているので、従来のサーフミュージックを期待していると…いつのまにか聴き流していることに気付いたりします。よって、固定概念を捨てることと少々の集中力が必要です。しかしそのおかげで「らしい曲」のインパクトは大きいです。このアルバムの中では少数派になるから、2割増しでいい曲に聴こえる(笑) 今の主流盤はモノラルとステレオの両方がパッケージされているのでオイシイよ。しかも安い。歴史を動かした1枚なので是非聴いておきましょう。
#999 / MADE IN U.S.A. / 1986
★★★★★
私事で恐縮ですが、そんな大袈裟なと思われるでしょうが、先日遂にライフワークの一つが完成しました。中学生の頃に節操なくエアチェックした120分テープ全曲をCD音源で編集したい!シングルレコードをMP3音源に変換したモノが2曲含まれているので完璧とは言えないんだけども、我ながらよくやったと思う。アーチストも曲名もわからないところから始まって全38曲ですよ!足かけ10年かな。色々あったよ。「yahoo知恵袋で曲名を教えてもらった」「マニアックな映画のサントラ音源にもかかわらず近年になって突然リリースされた」「折角手に入れたと思ったらまさかのバージョン違いだった」etc…。最後の最後まで謎だったMARTIN FORD ORCHESTRAを自力で突き止めた時の感動など忘れがたいです。さて、その38曲中5曲がビーチボーイズだったりするもので、このタイミングでコレですね。痒いところに手が届くベスト盤です。BEATLESやCARPENTERSと同様のオリジナルブランドなわけで、ベスト盤もたくさんあるからコレである必要もないんだけど、ほとんど“Rock and Roll Music”だけのために私は買ったのだよ。2012年が結成50周年(凄えな…ちなみにBEATLESとBOB DYLANも!)ということでまた新たなベスト盤が出てます(笑) さて、こうして完成させたCDだから感動しないわけがないと思うでしょ?ところがいざCD音源で聴いてみると違和感が…。中学時代に使ってたラジカセはかなり初期型だったわけでモノラルでした。声も楽器も分離してない音源をずっと聴いてきたわけ。ところがCD音源だと各パートがハッキリ聴こえてくる。低音もバッチリ出てる。こうなると同じ曲に聴こえなかったりするんだよ。別物と言ってもいいくらい。音の情報量の多さが気になって懐かしさに浸れない(笑) 贅沢な話なんだけどね。当時のカセットテープの音源をMP3にしたやつはそりゃあヒドい音なんだけどそっちの方がやっぱりしっくりくるわけさ。なんとも歯痒い。
#2224 / SURFIN' USA / 1963
★★★★
全米2位/全英17位を獲得した2ndアルバムです。シングルカットされたオープニングのタイトルチューンが全米3位の初ブレイク。B面は”Shut Down”。翌年に”I Get Around”が1位に輝く前祝いとなりました。その後も活躍は続き、65年には”Help Me, Rhonda”が、更に66年には”Good Vibrations”が それぞれナンバーワンシングルになりました。1位は逃すも、絶頂期ともいえるこの時期にヒット曲を連発、65年に”California Girls”(3位)、”Barbara Ann”(2位)、66年に”Sloop John B”(3位)などが上位にランクイン。絶頂期を過ぎた後も、76年”Rock and Roll Music”(5位)、88年”Kokomo”(1位)と意地を見せました。今作は5/12がインストで、その代表は”Misirlou/ミザルー”でしょうね。ただし、この曲はディック・デイル&デルトーンズのバージョンに軍配を上げる。映画「パルプフィクション」で使用されたアレです。申し訳ないがビーチボーイズにインストは求めていないのね。各曲の尺も短く、インスト率と同様の5/12が2分そこそこで、残りは2分足らず、トータルタイムでも25分足らずとなっています。初期のアルバムはどれも25分前後、よってウチにあるのは1stと2ndのカップリングCDで、ボートラが3曲追加されている。特に思い入れがなければ、やはりベスト盤がベストな選択だと思う。