ACQUA FRAGILE
ACQUA FRAGILE(Italy/伊)
#1072 / ACQUA FRAGILE / 1973
★★★★
歌詞が英語なのでイギリスのバンドみたいなイタリアンプログレバンドのデビューアルバムです。P.F.Mがプロデュースに携わっているらしいですが、特にそういうものが感じられる音ではないかな。EL&Pの庇護のもと英詞でワールドデビューを果たしたP.F.M.の助言なのかしら。いわゆるテクニカルなシンフォニックロックではありますが、特徴的なヴォーカル・ハーモニーの多用から、フォーク寄りの印象が強かったりする。そういう意味ではイタリアンの中にあって貴重な存在ではありますが…とにかくヴォーカルのベルナルド・ランゼッティが苦手なタイプです。ピーター・ガブリエル系でね、つまりはピーガブがあまり好きじゃないわけ。どうしてもGENESISに聴こえてしまう場面が多いのは、声質のみならず曲も寄せた結果でしょう。ランゼッティが後にP.F.Mに加入した時には、やってくれたなと思ったよね。P.F.M.も終わったなと。キングレコードのユーロ・ロック・コレクション・アンコールの1枚だったので買ってみましたが…シンガーのせいであまりハマりませんでした。それでも、オープニングの”夜明けの訪れ/Morning Comes”(7分半)、エンディングの”三本の腕を持った男の物語/Three Hands Man”(8分超)はプログレ然としていていいと思う。特に後者は色んな要素をうまく纏め上げた大作となっている。ランゼッティじゃなければ文句なしですが、好みの問題だから致し方ない。5曲目”進化への道程/Education Story”(4分ちょい)も良い。イマイチなジャケはバンド名を表している?海のこわれもの?あ、FRAGILE!言われてみればYESの要素もあるかも。