加川良
加川良(JPN)
#1377 / 親愛なるQに捧ぐ / 1972
★★★★

高田渡の弟子みたいな位置づけのフォークシンガーです。一時は吉田拓郎と競ってたそうです。なぎらけんいちのせいで鳥の餌を食ってるイメージ(「葛飾にバッタを見た」より)しかなかった。中学校当時の唄本で“教訓Ⅰ”というタイトルだけは目にしてたけどね、長らく曲を聴いたことはなかった。なぎら同様、中津川飛び入りデビューを飾ったらしい。もちろん渡さん絡みだね。加川良はバンド出身とのことだが、この2ndアルバムで聴けるのは高田渡の流れにある音楽です。現代詩に曲を付けて歌うのは定番だったのかね、そのあたりも似たような構成だ。渡さんとのいちばんの違いは…力強くしっかり歌っていること(笑) 古井戸の加奈崎さんみたいかな。アコギの音もいいね。アルバムは浜田龍郎の詩を歌った“偶成”で始まります。掴みはバッチリ。続く“こがらし・えれじぃ”は…三上寛みたいだ(笑) ローランサンの詩を歌った”鎮静剤“は渡さんも歌った曲。でハイライトの”下宿屋“だね。ほぼ語りなんだけど、師匠の高田渡(実は加川より年下)に対する思いが綴られた名曲です。ちなみに親愛なるQとは岡林信康という解釈でいいらしいぞ。