X JAPAN
X(JPN)
#372 / BLUE BLOOD / 1989
★★★★★

それまで全くノーマークだったところ、師匠から“紅”を聴かされて(忘れもしない車の中)一発で気に入りました。スピード感がそれまでのジャパメタと一線を画しており、師匠も「気に入るはず」という確信をもって聴かせてきたに違いない。ストリングスがサビメロを奏でるイントロダクションからのアルペジオパート、間奏もテクニックはともかくHIDEとPATAがスピード感を持続させる。ラッキーなことに、ほどなく百貨店のワゴンセールで売られているのを発見、300円程度で購入したと思う。”紅”さえ聴ければそれでよかったのですが、冒頭から「おっ!ワールド・アンセムじゃん!」みたいな、嬉しい驚きとともに期待が膨らみました。それに繋がる「1番ライブでやりたくない曲」とYOSHIKIに言わしめた実質1曲目のタイトルチューン、メジャー3rdシングル”Week End”、インディーズ時代にリリースされた2ndシングルのリメイク”X”と続きます。アルバムのハイライトは、数あるバラード(小泉純一郎でお馴染みの”Forever Love”とか)の中でナンバーワンの人気を誇る”Endless Rain”~全ての楽曲中一番人気の”紅”で間違いない。間違いないのだが、HIDEらしさが溢れる”Xclamation”、これまたインディーズ時代のリメイク”オルガスム”の流れも捨てがたく、この2曲も含めた4曲をハイライトとしてもいい。他にも「血の伯爵夫人」をテーマとした”Rose of Pain”など、聴きどころが多い素晴らしいアルバムです。ただし、持ち上げておいて申し訳ないが、TOSHIの子供みたいな声がどうも好きになれない。日本語詞の宿命とも言えますが、特にジャパメタ感が鼻に付く歌い方(声質)なのかな。山田雅樹ならこうはならないはず。オープニング”Prologue(~World Anthem)”のフランク・マリノはともかくとして、作詞・作曲は概ねYOSHIKIなのね。オーケストラの導入もYOSHIKIのアイデアかな。冒頭の”Prologue”、中盤の”Endless Rain”、ラス前の”Rose of Pain”の3曲に46名のフル・オーケストラが、ラストの”Unfinished”に弦楽四重奏がそれぞれフィーチャーされている。