WINTERHAWK
WINTERHAWK(US/米)
#391 / REVIVAL / 1982
★★★★★

“炎”誌で幾度となく紹介されていたものだから、長きに亘り気になっていたデビューアルバムです。念願叶って最近やっと聴くことができましたが、”炎”が推しまくっていただけあって素晴らしい出来。カナダのトリオバンドでハイトーンヴォイス、といってもRUSH風ではないしTRIMUPH風でもない。当然ボーカルもゲディ・リーとは違うんだね。それ以前にカナダのバンドじゃなかった。USバンドがカナダのレーベルから出した自主制作盤らしい。想起されるシンガーは、まずフランク・ディミノ(ANGEL)、そしてリンダ・ペリー(4 NON BLONDES)といったところかな。まあ及第点以上のシンガーです。ボーカルのみならず曲もいいじゃないの。アルバムタイトル通り、いい意味でリバイバル感が漂っている。これは間違いなく70年代の音。各曲とも、ギターソロの尺に比例して長めで、収録は全7曲ですが、特にトリを務める9分半の、“Free Bird”的な大作がアルバムのハイライトになります。“Free to Live”というタイトルからして顔がにやけてしまいますが、リスペクトが感じられるうえにこの出来であれば、82年版フリーバードに認定してもいいと思う。風体からして70年代丸出しのギタリストが中心人物と思われます。特にテクニカルというわけではありませんが、総じて「おいしい」ことを演ってらっしゃる。というか実際、ギリ70年代のギタリストなんだけども。裏ジャケに写るストラトキャスターがね、フロントPUだけハムバッカーという妙な仕様(H-S-S)になっているのも好感度が高いです(笑)
#1550 / FIND FROM THE SUN / 1992
★★★★

傑作デビューアルバムから10年が経過して高音シンガーがいなくなってしまいました。よってヴォーカル曲は少なめ、大半をインストが締めております。デビューアルバム以降に作り溜めた作品を一纏めにしてリリースしたってのが真相でしょうか。ZENOLOGYみたいな感じかな。そうなると当然の帰結として散漫な印象になるわけですが、プログレッシブな作品という認識なのでそれほど気にならない。好意的に受け止めることすらできちゃったりします。プログレって便利ね。オープニングの大作は、初期ではないRUSHを髣髴させます。最初のギターの音からしてアレックス・ライフソンです。他にも2曲ほど同系統曲あり。2曲目はマイク・オールドフィールド的なリフレインから待ってましたの独りツインギターが炸裂。軽快で素晴らしい。ツインのハーモニーは当然ながら、ここのギタリストの場合異なるフレーズを重ねるのもお好きらしい。つまり、必ずしもハモってるとは限らないってことね。悪く言えば2本のギターが勝手に弾いていると。下手すりゃ(10曲目あたり)3本目4本目まで出てきたりします。デビューアルバムとは印象は違えど、コレはコレでアリだと思います。