UK
UK(UK/英)
#298 / U.K. / 1978
★★★★★
パンクロックが全盛の時代、元KING CRIMSONのジョン・ウェットン(URIAH HEEP脱退後)とビル・ブラッフォード(当初はイアン・マクドナルドの参加も噂されていたとか)が、元YESのリック・ウェイクマンを誘ってEL&Pの発展形プログレを目論んだのですが…結局ウェイクマンは参加せず、ウェットンのROXY MUSIC人脈からエディ・ジョブソン、ブラッフォードの人脈からアラン・ホールズワースが加わりデビューアルバム「憂国の四士」は完成。ASIAにつながるスーパーグループが提示した音楽は、低迷していたプログレシーン起死回生の一発となりました。日本とヨーロッパだけだったらしいけど。本国およびアメリカではイマイチだったんですと。方向性は、これまでのプログレと次世代プログレの中間ですね。ウェットンの歴史から見ると、ASIAへ繋がる必要不可欠なバンドでした。冒頭の3曲がまとめて1曲みたいなもので、ウェットンの魅力が炸裂している曲。やはりこういう路線かと思いきや、ホールズワースとブラッフォードが主導だとジャズロック、フュージョン色が急に顔を出したりする。問題はエディ・ジョブソンではなかろうか。これは当初の目論見とは違うのでは?この人のキーボーだけがどうもしっくりこない。YESに参加したバグルズ組が思い出される違和感。これがウェイクマンだったらなあと思うのは私だけではあるまい。”Alaska”がいちばんEL&Pしており、こういうプレイに徹してくれたらよかったのに。エレクトリック・バイオリンは良くも悪くもこのバンドのイメージとして残っているから許そうか。ぶっちゃけると、解散後に出たLIVEの方が思い出深かったりするんだけどね。ホールズワースとブラッフォードは1枚で脱退してBRUFORDを結成。どうも噛み合わなかったみたいね。
#454 / NIGHT AFTER NIGHT / 1979
★★★★
“Nothing to Loose”だけがやけに記憶に鮮明なライブ。
どういうわけか橘の家で聴いた思い出あり。なぜだ!
あれは誰のレコードだったのだろう?
奴は音楽とは無関係の人間だったはずだが…
ホールズワース不在でも貴重なライブってことになるんでしょうな。
#558 / DANGER MONEY / 1979
★★★★
結局1枚だけでブラッフォードとホールズワースが抜けてしまいました。2ndにして早くも「憂国の四士」じゃあなくなったわけですが…方向性の違いだから仕方ない。代わって参加したドラマーは、ザッパ・ファミリーからのテリー・ボジオ。ジョブソン人脈ってことになるのかな。しかしホールズワースき代わるギターは加えず、ジョブソンが鍵盤とエレクトリック・バイオリンで補うギターレス・トリオとなりました。個人的にはLIVE盤の思い出が強いゆえ、特に“Nothing to Lose”(当時は勇壮なイントロが好きでした)や”Caesar’s Palece Blues”のようなキャッチ-な歌メロ曲が収録されている本作の方がUKというバンドのイメージですかね。前作におけるホールズワースの存在感は流石だったけどね。あのプレイはホールズワース以外の何物でもないでしょ。ウェットン節炸裂の”Rendezvous 6:02”やプログレ然とした大作ラス曲ももちろん素晴らしい。そもそもジョブソンの曲調だったらウェットンが歌う必要はないわけでね、一緒にやってく意味もなくなるわけよ。かくしてスタジオアルバム2枚のみでバンドは解散。ウェットンはスティーヴ・ハウ(YES)、カール・パーマー(EL&P)らとASIAを結成。ボジオはミッシング・パーソンズを結成します。