Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

TNT

TNT(Norway/諾威)

#61 / KNIGHTS OF THE NEW THUNDER / 1984

★★★★★

TNT (320x320)

第1次北欧メタルムーブメントのノルウェー代表です。バンドの二枚看板はヴォーカルとギタリスト。今作のレコーディング直前に加入したアメリカ人シンガー、トニー・ハーネルの力強く伸びやかで美しいハイトーン・ヴォイス、ロニー・ル・テクロのフラッシーでテクニカルかつユニークなギタープレイは、まだ粗さの目立つこの2ndアルバムであっても、一線級のポテンシャルを秘めていることを示しました。ヴォーカルの交替がなかったら1stと同じくスウェーデン語詞だったかもしれず、トニーの加入が世界進出の第一歩になったのは間違いない。ちなみにベースのモーティ・ブラックも今作から参加。定期的に足を運んでいた新星堂の輸入盤コーナーが当時一番近い穴場でね、TNTは何かしらのコンピ盤でおそらく”Seven Seas”(“U.S.A.”だったかも)を聴いていたから、ジャケがイマイチでも手に取ったのだと記憶しています。オープニングは疾走チューンじゃなかったけれど、ギターソロに向う曲展開とトリッキーなソロを聴いた瞬間、コレは当たりだとガッツポーズですよ。すかさず師匠に聴かせて…これならできそうってことで前出“Seven Seas”をコピーしました。ミッドテンポの曲だけど、リフもソロもカッコよかったから。本気で探せばその時の音源がどこかにあるはず。ヴォーカルのキーが高すぎて完コピするのは基本的に無理なんだけども、この曲に関しては喉の好不調にかかわらずギリギリ大丈夫だったのを覚えてます。よく聴いたアルバムだからどの曲もお馴染みですが、総じて北欧風味は少ないかもしれないね。スウェーデン勢よりクセが少ない。シンガーがアメリカ人だからか、ロニーの変則的なプレイスタイル故か、はたまた他のメンバー達の嗜好によるものか。まあとにかくギタープレイは衝撃的でした。バラードの”Without Your Love”や、アコギインスト曲の”Klassisk Romance”も好きですな。どんなタイプの曲であっても、いい意味で予想を裏切るギターソロを聴くことができますよ。



#239 / TELL NO TALES / 1987

★★★★★

TNT tell no tales (320x320)

メジャー感が一気にアップした3rdアルバムです。本国では1位を獲得しました。一般的には次作「Intuition」が最高傑作とされる事が多いようですが、個人的には洗練されすぎたなと思う。「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」を聴いてファンになり、コピーまでしたからね、あのフラッシーなギターが忘れがたいわけ。このアルバムにもMTVを意識したような曲があります。ポップな”10,000 Lovers”、”Listen to Your Heart”とか、バラードの”Child’s Play”とかだね。それでもロニー・ル・テクロは主張しているし、トニー・ハーネルに至っては絶好調だ。まずオープニングの”Everyone’s a Star”が、前作との違いをハッキリと示しています。結果から言うと2ndと4thの中間路線で、好みの問題は別として、ハードさは残しつつキャッチ-という見事な塩梅を実現している。トニーとロニーによるメジャー宣言といった感じ。”Sapphire”を始めとする3曲の短編インストも、さりげなくTNTというバンドを主張しています。ロニーらしさとも言えますが、持ち味のフラッシーなギターを聴くことができ、私も含め前作からのファンにとっては溜飲を下げる瞬間でしょう。そして、ラストのタイトルチューンで憂さ晴らし?というか、俺達ホントはこうなんだぞ、なのかな。2分半に満たない曲(直前のインストをイントロダクションと考えても3分強)ですが、コレだけ前作路線(ありがたい)なんですけど!向上したサウンドプロダクションで演ってみたくなったのは理解できるとして、何故この曲をアルバムタイトルにしたのか興味深いところ。何はともあれ、ロニーもトニーも凄まじいパフォーマンスを見せつける、ぶっ飛びファストチューンです。



#681 / INTUITION / 1989

★★★★

TNT intuition (320x318)

完全に北欧美旋律路線に鞍替えして成功した世間的に評判のいいアルバムです。
トニー・ハーネルの真髄はこういうことじゃないと思うんだけど、歌が上手いと色んなことがやりたくなっちゃうのかな。結局何を歌っても成立しちゃうし。とにかく洗練されたメジャー級の作品になってしまいました。ロニー・ル・テクロのギターソロもフレージングは相変わらずだけどすっかり曲に溶け込んでる。昔からのTNTファンはもっとフラッシーで出しゃばり気味なやつを期待してたのに。北欧メタルの行きつく先はみんなこれだもんな~。時代かな~。







#1838 / REALIZED FANTASIES / 1992

★★★★

TNT realized fantasies

「INTUITION」と同様に北欧風味は薄れても、たとえポップ方向にシフトしたとしても、トニー・ハーネルの圧倒的な歌唱と、ロニー・ル・テクロの個性的なギターがあるから楽しく聴けてしまうバンドの5thアルバム。オープニング曲のギターリフは後のテクロ作品が窺い知れるフレーズだと思いました。あいかわらず聴きどころが必ずあるギターソロではあるけれど、前作より少し控えめかも。代名詞のミュートを絡めた怒涛のマシンガンフレーズが封印されているし。トニーは絶好調を持続どころか、時に美しく時に激しく、緩急自在の歌唱がもの凄いです。楽曲もバラエティに富んでいて「INTUITION」より好きですけどね。単純にいい曲が多いと思う。オープニングの”Downhill Racer”とエンディングの”Indian Summer”は文句なし。あとはバラードの”Lionheart”とか、フレディ・マーキュリーがやりそうな変化球的役割の”Easy Street”など。ここに従来通りの派手なギターがあったら「TELL NO TALES」に迫る作品になってたかな。「INTUITION」の後遺症というか…後のBAD HABITZVAGABONDに繋がる心境の変化があったのかもしれません。



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