STEVE HARLEY AND COCKNEY REBEL
STEVE HARLEY AND COCKNEY REBEL(UK/英)
#506 / LOVE'S A PRIMA DONNA / 1976
★★★★
カテゴリーはグラム・ロックですが、この5作目にして最後のスタジオアルバムはプログレッシブロックの如し。かと言ってガッツリプログレであるわけもなく、コンセプトが、雰囲気がって程度ですが。スティーヴ・ハーレーは大道芸出身なんだって。そのあたりどうしたってピーター・ガブリエルが思い浮かんでしまうけどGENESISではないね。10CCあたりが近いかもしれない。奇しくもkeyのダンカン・マッケイは78年10CCに加入します。この時期KATE BUSHのアルバムやCAMELの「ヌード」にも参加して絶好調。良くも悪くもフロントマンによるパフォーマンスが肝になるグループですが、今作は何かしらのコンセプトがあるのでしょう。シアトリカルでもあり、サントラ的でもあり、そういう意味ではプログレッシブ。とりとめのない部分もあるけれど、そこはリスナーの解釈次第だね。個人的には楽しめたよ。中盤のタイトルチューンが最初のハイライト。そして終盤ジョージ・ハリスンの”Here Comes the Sun”からエンディングへ。欲を言えば、ファーストシングルの”Sebastian”みたいな曲があったらもっと良かった。ちなみに現在入手できそうな盤はベストアルバム(もちろん”セバスチャン”収録)とのカップリングだから丁度いいかもね。シャッフル再生すればイイ感じになるかも。
#1997 / THE PSYCHOMODO / 1974
★★★★
元大道芸人のスティーヴ・ハーレイが芸人仲間のジョン・クロッカー(フィドル/マンドリン/ギター)と結成したCOCKNEY REBEL名義の2ndアルバム「さかしま」は70年代中期イギリスのポップロックの名盤ということになっている。つまりは彼らの代表作。しかし、ハーレイのワンマン気質が露呈し、この後STEVE HARLEY&COCKNEY REBEL名義を経て、最終的にはSTEVE HARLEY名義となる。ところで「さかしま」って何?「よこしま」の親戚か?調べてみると…「逆さま」「道理に背くこと」「Against the Grain」という意味らしい。ヒット曲”Mr.Soft”が出色の出来。大道芸人のルーツが透けて見えるような不思議な世界観で、ロシア民謡のようでもあり、中々の中毒性があるね。ちなみにシングルとアルバムではヴァージョンが違っており、どちらかというとシングル・ヴァージョンの方がガチャガチャしていて好き。ラフな感じがいい。他の曲もクセが強めで割とバラエティに富んでおり…長らく「何だこりゃ?」と思っていたけれど「名盤かも!?」と感じ始めた今日この頃です。歌唱は、歌と語りの中間で、特に上手いわけではない点、個人的にはピーガブのパフォーマンスと重ねている。