STACKRIDGE
STACKRIDGE(UK/英)
#1085 / MR. MICK / 1976
★★★★★
グリーンスレイドのデイヴ・ローソン加入でほどよいプログレ風味を醸している5thアルバムにしてラストアルバムでございます。つまり…イタチの最後っ屁とでも申しましょうか(笑)本来の持ち味とは違う部分を前面に押し出した1枚となりました。ポップな中にプログレの味わいという意味では10CCあたりが近いようですね。1曲目はビートルズのカバーで、つまりコレが従来路線なのね。ところが2曲目のインストは四人囃子の如しですっごくいい!がしかし…この煮え切らなさは何だろう?ポップとプログレが融合していない。それはレコード会社の都合で編集されてしまったからなんですね。ビートルズのカバーは元々は無かったのだよ。コンセプトアルバムなのにそんな事されたらさあ、そりゃあ「やってらんねえや」ってことになるよね。しかーし、完全版(本来の曲順)が出てます。好き度はもちろん完全版の評価です。全然印象が違うもの。オリジナル盤が陽の目を見てよかった。本人たちも我々も良かった。
#1130 / THE ORIGINAL MR MICK / 2001
★★★★★
やっぱコレだね。やっとの思いで陽の目を見たオリジナル盤は、期待通りの素晴らしいコンセプトアルバムだったよ。10CC系極上ポッププログレ作品です。これを強制的にああいう感じに編集されちゃったんだなってのが分かるから、そこがまた面白いね。レコード会社編集盤は確かに洗練された作品にはなっていたけど、このオリジナル盤を聴いてみると、やっぱり失うモノの方が多かった気がする。両方とも聴いたことがない人にどっちを先に聴くよう薦めるべきか!? 難しい問題だけど、もう我々には不可能な聴き方になってしまったから、是非オリジナルから聴いてほしい。唯一気に入らないのがジャケ。察するにミック夫妻なんだろうけど…かなり微妙~。差し替えてほしいっす(笑)
#1784 / THE MAN IN THE BOWLER HAT / 1974
★★★★
プログレ、フォークロック、サイケロック等にカテゴライズされる英国古参バンドの3rdアルバム「山高帽の男」です。分類に悩むタイプではありますが、WISHBONE ASHやCAMELのサポートとか、逆にRENAISSANCEをサポートに従えてとか、ツアーのカップリングを見れば何となくその音楽的立ち位置が推し量れるというもの。プログレ寄りに括られていることは間違いない。素敵なジャケ(BEATLESの「ABBEY ROAD」やEAGLESの「HOTEL CALIFORNIA」等を手掛けた人の作品)がいかにもって感じでしょ?今作も、様々な管弦楽器(フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、アコーディオン、トランペット、サックス、フレンチホルン、トロンボーン、チューバなど)の使用が特徴的なBEATLES後期の多重録音路線です。懐かしくも楽しげな楽曲の数々にプログレ風の味付けが効いてる。なバラエティに富んだ楽曲がウリでしょうね。しかも今作をプロデュースしたのがジョージ・マーティン(5人目のビートルズ)となればバンドの代表作であることは間違いないわけです。メンバーをちょいちょい入れ替えつつ存続していたバンドは77年に解散。四半世紀近くが経過した99年に再結成したらしい。