SAVAGE
SAVAGE(UK/英)
#230 / LOOSE 'N LETHAL / 1983
★★★★★
寺尾聰がヴォーカルで、"いつまでもいつまでも”がヒットしたグループサウンズじゃありませんよ。あちらは「ザ・サベージ」。寺尾さんといえば「ルビーの指輪」より「おくさまは18歳」を思い出す世代だねって、そんなことはどうでもいい。これは衝撃的な1枚でした。NWOBHM最後の刺客によりNWOBHMムーブメントが終焉を迎えたという説もありますが、このサウンドは文字通り「野蛮」そのもの。よくもここまで下品な歪みで録音したなと。後のザクザクしたスラッシュ・リフとは似て非なるもの、ジャキジャキした歪み方です。ともあれ、これまで聴いたことのない激しさゆえ、何かが起こる前兆と感じたのを覚えています。その後はご存知の通り、USにて激烈HMのスラッシュメタルが誕生するのでした。直後にデビューした流れから察するに、このアルバムとMETALLICAの1stは無関係ではないはず。真実はクリフ・バートンのみぞ知るですね。とにかくオープニングチューンの”Let It Loose”を聴けでございます。ファストで、ソリッドで、ダーティーで、ハイテンションな楽曲の集大成。有無を言わせぬカッコよさがあるね。他の曲は1曲目ほどスピードはありませんが、迫力は十分。2曲目”Cry Wolf”の2本のギターを駆使したリフもかっこいい。”Ain’t No Fit Place”もいいね。”On the Rocks”では一丁前にツインリードをフィーチャーしているが、勢い任せで音色も汚い(笑) 続く”The China Run”、ラストの”White Hot”も印象的でよく覚えています。ジャケに描かれた通りのイメージが見事に表現されています。ん?逆か!LPに収録されていたのは全8曲ですが、CD化に際してボートラが収録されたらしい。ウチにある盤には、80年のデモ音源3曲が入っています。基本的にザラついた音質なので、それほどの差を感じないところが笑えますが、暴虐性はだいぶ違うね。ちなみに異なる4曲をボートラ収録した盤もありますよ。