ROBERT WYATT
ROBERT WYATT(UK/英)
#1316 / ROCK BOTTOM / 1974
★★★★

元SOFT MACHINEのドラマー(ヴォーカルも担当。MACHING MOLEでも叩いていたカンタベリー系の大御所)が下半身不随からシンガーソングライターとして復活した2ndソロアルバムです。普通はロック・ボトムといえばUFOしか思い浮かばないけどね、こっちの畑のロック・ボトムは…ジャケの雰囲気そのままにフワフワしたアンビエントな感覚の作品となっております。元ドラマーのアルバムなのにほとんどドラムレス(ほぼギターレスでもある)ってトコがポイントですな。これは切ない。そして、そっち系の友人たちに支えられた作品であることも涙を誘うのでありました。プロデューサーはPINK FLOYDのドラマー、ニック・メイスン。マイク・オールドフィールドが1曲ギターで参加。盟友ヒュー・ホッパー(B)が3曲、残り3曲のベースはCARAVANのリチャード・シンクレアが担当。その他この手の音楽に欠かせない管楽器やヴィオラで花を添えるのもGONGやらHENRY COWの人脈らしい。作詞家の語りもあります。
#1788 / THE END OF AN EAR / 1970
★★★★

SOFT MACHINEのドラマーがまだ在籍中にリリースしたファースト・ソロ・アルバムです。次の「ROCK BOTTOM」と比較すると、まあ随分と違うなこりゃ。この前衛音楽は何でしょう?一応フリージャズなのかしら。ソフツでの憂さ晴らしであることは間違いなかろうが、果たして本当にやりたかった音楽なのかという疑問も。個人的には聴きどころがわからないタイプの音楽です。その辺りはALAN SORRENTIの「ARIA」あたりと共通の印象かな。数多くのソロ作品を発表しているワイアットですが、そのほとんどが下半身不随になってからのものであり、歌えるドラマーとして録音された唯一のアルバムという点に於いては貴重かもしれない。この後シド・バレットの「帽子が笑う…不気味に」でドラムを叩き、ソフツの「4」では冷遇され遂に脱退。その後共にMATCHING MOLEを結成するCARAVANのデヴィッド・シンクレアが今作にもゲスト参加しております。