Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

QUEEN

QUEEN(UK/英)

#1 / A NIGHT AT THE OPERA / 1975

★★★★★★★★★★

Queen a night at the opera 2 (320x320)

町に唯一のレコード店で初めて買ったLPがコレでした。高校の合格祝いという名目で手に入れたコンポは、父親の同僚の手造りで、真空管がむき出しのアンプ(ものすごい重量)にJBLのスピーカー、DENONのターンテーブルという構成で、そこに初めて載せたレコードというわけ。試聴に伺った際には、EL&Pの「四部作」も持参してね、事前にクラシックを聴くためのセットアップだと言われていたからだと記憶しています。すでにQUEENはメジャーだったから、ヤングジョッキー等のエアチェックですでに何曲も聴いていました。当時はテレビでも洋楽のカウントダウン番組を放送していて、アイドルグループ扱いで毎回チャートインするほどの人気でしたよ。そんな時に突然耳にすることになった“Bohemian Rhapsody”は衝撃的な曲でした。フレディ・マーキュリーの美しいメロと歌唱、ブライアン・メイの個性溢れるギター、濃密なコーラスワーク、動と静のコントラスト、中間パートの破天荒振りも、ピアノの旋律も、最後の銅鑼の音に至るまで、すべてに於いてスペシャルな楽曲でした。さすがにコピーすることはできませんでしたが、とりあえず歌詞だけは覚えちゃったよね。こうした付加価値も全部ひっくるめて記念すべき第1弾は、ロイ・トーマス・ベイカーがプロデュースしたQUEENの名盤4th「オペラ座の夜」ということになりました。全英1位アルバム、文句なしの満点です。おそらくこれ以上の作品はなかろうということで、今後はコレを基準に★の数を決めいこうかなと。あくまでも個人的感想なのでね、至らぬところは多々ありますが、そのへんはご容赦いただきたく存じます。”Bohemian Rhapsody”や“My Best Friend”等のヒット曲は言うまでもなく、ロジャー・テイラーの曲もブライアン・メイの曲も、アルバムのアクセントレベルには留まらない、必要不可欠な要素になっており、結果として全曲素晴らしいです。オープニングはハードロック時代の名残りが感じられるフレディ作の“Death on Two Legs”、2曲目はお得意の変化球にしてQUEEN史上最短曲の“Lazing on a Sunday Afternoon/うつろな日曜日”(バケツの中のヘッドフォンで再生した音を録音)、お次はロジャーのハスキーヴォイスが冴えわたる“I’m in Love with My Car”(シングルカットされた”Bohemian…”のB面曲)、4曲目が2ndシングルの“Your’re My Best Friend”(ジョンの作品)、続いてはブライアンの癒し系ヴォイスが染みるアコースティックソング“’39(1stアルバムの最初の曲から数えて39曲目。ジョンがコントラバスを使用)”、5曲目はギターラインが “We Will Rock You”の原型であり3/4拍子の“Sweet Lady”(ドラムが難しいらしく、そこに注目して聴いてみるのも一興かと)で、アナログ時代のA面を締めくくるのはファニーな変化球“Seaside Rendezvous”、実験的に様々な音が駆使された曲で、カズーに聴こえるのは薄紙、トランペットパートはロジャーの声、アンサンブルはフレディが木管楽器、ロジャーが金管楽器をたんとうしたそうです。ここから後半戦、B面のオープニングは、コーラスワークの集大成(ボーカルにディレイをかけたアカペラパートが秀逸)にしてQUEEN史上最長の楽曲“The Prophet’s Song/予言者の唄”、2曲目は、ライブでの合唱も印象的な、フレディ作の美しいバラード“Love of My Life”、続いてこれまたブリッジの役割も果たす小曲ながら、ブライアンがドラム以外で八面六臂の活躍(クレジットはGuitar Jazz Band-Brian Mayとなっているほどで、ディキシーランド・ジャズ風の木管、金管、アコーディオンなどに聴こえる音はギターシミュレーション。ウクレレは日本製の本物)を見せる“Good Company”を挟んで、満を持しての超名曲、フレディ流の1曲完結オペラとも言える“Bohemian Rhapsody”が繰り出されます。最後は、ブライアンのギターオーケストレーションが炸裂する、大英帝国の誇りに満ちた、“God Save the Queen”でめでたく大団円を迎える完璧な流れです。ライブのエンディングでもテープが流されることになる、余韻に浸るための大切な楽曲です。全員歌えるってのがこのバンドの強力な武器のひとつですね。ジョン・ディーコン以外はメインを張れるし。さて、今後このアルバムを超える作品は登場するのでしょうか!?同名映画のヒットもあり、いまだに伝説は増える一方で、今作に関する話もそこかしこに溢れているから、まあ超えるのは無理だね。 LPからデラックスエディションに至るまで、5枚の「オペラ座の夜」を購入してきました。これまで何度聴いたことか、そしてこれから何度聴くのでしょうね。



#51 / A DAY AT THE RACES / 1976

★★★★★★★★★

Queen a day at the races 2 (319x320)

ハードロック色が残る1stと2nd、コンセプトアルバムではないけれどストーリーが感じられるようになった3rd、それまでの完成形といえる4th。そして今作が、ジャケの紋章からも推察されるように、4thと対を成す5thなんですね。アルバムタイトルも前作と同じくマルクス兄弟の映画のタイトルを拝借している。ちなみに「A Night at the Opera/オペラは踊る」は、詐欺で資金を得たオペラ一座の公演初日の話で、「A Day at the Races/マルクス一番乗り」は、経営難に苦しむ診療所のオーナーたちの競馬にまつわる話らしい。ともに戦前の古い映画だけど面白そうだ。さて、楽曲一つ一つのクオリティは「オペラ座の夜」を超えているという声もちらほら。売れる曲への布石だったでしょうか、次の6th「世界に捧ぐ」で見事に成功を勝ち取ります。“伝説のチャンピオン”と“手をとりあって”が生まれるべくして生まれたヒット曲だ。ハードロック要素を徐々に削りQUEENブランドを築き上げたというわけ。なのでこのROCKのカテゴリーは…QUEENですね。日本語詞使用の“手をとりあって”が殊更話題になりましたが、個人的には何といっても“愛にすべてを”が好きですね。楽曲のスタイルは違います(今回はゴスペル調)が、前作の“ボヘミアン・ラプソディ”に匹敵すると思います。リアルタイムQUEENがこの曲だったから殊更思い出深い曲として記憶に刻まれているんですね。それは歌い出しを聴くたびにぞわっとするほどに。”Keep Yourself Alive“のイントロ同様、オープニング曲のTie Your Mother Down“のイントロにも同じような感覚があるね。不思議なことにいつまでたっても新鮮なのね。しっとりと歌う2曲目の”You Take My Breath Away“も抜かりなし。続く3曲目はブライアンの癒し系ヴォイスが炸裂する優雅な”Long Away“だ。そしてマーキュリー節炸裂の”The Millionaire Waltz“で畳み掛けますな。コーラスも冴えわたる、ある意味定番のワルツ、これぞQUEENワールド。アナログA面はジョン・ディーコン作の味わい深い楽曲”You and I”で締めくくられる。ポイントのB-1に名曲”Somebody to Love/愛にすべてを“を配置して、再度メイの作品”White Man”をはさんで、これまたフィレディの定番、ちょっとファニーな雰囲気を持つ”Good Old Fashioned Lover Boy/懐かしのラヴァ-・ボーイ“が続きます。♪one two three four five six seven eight nine o’clock♪のフレーズが好きですね(笑) ラス前で登場するロジャーの曲”Drowse/さまよい”も相変わらずいい味出してる。みんな凄いよ。これ以上ない役割分担でしょ。でローマ字表記があやしい”Teo Torriatte(Let Us Cling Together)/手をとりあって“でアルバムが締めくくられるという完璧な流れ。どうですか皆さん!「オペラ座の夜」をいい意味で踏襲しているあたりKING CRIMSONにおける1st「クリムゾン・キングの宮殿」と2nd「ポセイドンのめざめ」を思い出します。ジャケで言えばKISSで言うところの「地獄の軍団」と「ラヴ・ガン」でしょうか。2011年の震災後、偶然ラジオで“手をとりあって”が流れているのを聴きました。被災地では放送されていなかったかもしれませんが…東北地方の同世代の人たちの耳に届きますようにと心の底から思ったよ。名曲には力がある。たかが音楽、されど音楽。



#111 / QUEENⅡ / 1974

★★★★★★★★

Queen Ⅱ (320x320)

中学生の頃はラジカセしか持っておらず(父親のレコードプレーヤーはありました)音楽収集は専らエアチェックに頼っていました。そんな時代に偶然録ったQUEENのライブ音源。ヤングジョッキーだったと思うのですが、とにかく気に入って何度も聴いていました。ちなみにこの音源は後に海賊盤「LIVE IN MIDDLESEX 1976」としてゲット。さらにその後、同映像と思われるDVD「Live at The Hammersmith Odeon 1975 Christmas Show」もゲットしました。個人的には4th「オペラ座の夜」5th「華麗なるレース」あたりが一番の好みではあるものの…師匠は「クイーンはセカンド!」と言い切るほどのアルバムなんですね。確かにQUEENにハードロックの要素も求めるならそうなるでしょう。恐らくは、ボーカル目線(耳線?)とギタリスト目線(耳線!)の差ではないかと思われる。師匠と色んなバンドのベスト作について話す時に、微妙な差異が生じるのはたぶんそういうこと。もちろん今作の良さも解ってますけど。つまりですね、甲乙つけ難いというか、強いて選ぶならってことなのよ。皆さんはいかがですか?ちなみに…タワーレコードの人気投票(2021)では、1位が2nd、2位が4th、以下5th、3rd、6th、7thの順。とあるサイトでは1位が4thで以下2nd、3rd。その他4th、3rd、2ndってパターンとか、2枚を抑えて「INNUENDO」や「MADE IN HEAVEN」が1位という?なランキングもあるからね。こちとら管理者の好みなど知ったこっちゃないわけで、ここは分母が大きそうなタワレコの調査をファンの総意としておこうか。AmazonとかRakutenで売り上げとは別の人気ランキングとか企画してくれませんかね。サブタイトルとして「ホワイト・クイーンとブラック・クイーンの啓示」とある通り、通常のA面とB面を排し、ホワイトサイド(主にブライアン・メイが担当。“White Queen”という曲あり)とブラックサイド(フレディ・マーキュリーが担当。“March of the Black Queen”という曲あり)とする、ある意味プログレッシブなコンセプトもお洒落じゃありませんか。こだわりのコンセプト故、CD化に際してもサイドとサイドの間に長めの空白が挿入されました。サイドホワイト)”Procession”、”父より子へ/Father to Son”、”White Queen(As It Began”、”Some Day One Day”(ボーカル:メイ)、”Loser in the End”(ボーカル:ロジャー)の5曲。イントロダクションからブライアン・メイ印の、レッド・スペシャルによるギター・オーケストレーションが炸裂します。ソングライターとしてもフレディに負けず劣らず。すでにこの時点でリード・ボーカル曲も必要不可欠になってるね。ロジャー・テイラーの歌唱も同様に欠かせません。ブラックサイド)”人喰い鬼の闘い/Ogre Battle”、”フェアリー・フェラーの神業/The Fairy Feller’s Master Stroke”、”Nevermore”、”March of the Black Queen”、”Funny How Love Is”、”輝ける七つの海/Seven Seas of Rhye”の6曲。圧巻のフレディ・ワールド全開です。それはもうホワイトサイドを吹き飛ばす勢い。ライブで定番となる”Ogre…”の、デビュー作からは想像もつかない多重録音の完成度には舌を巻くね。紛うことなきバンドの代表曲です。ここからの4曲がメドレー形式になっており、順序が逆になってしまいますが、”ボヘミアン・ラプソディ”の拡大版みたいに感じられるドラマチックな構成だ。大トリはかくあるべしの”Seven…”も素晴らしい。ここからQUEENにおけるフレディの比重が一気に増すのも頷ける出来ですね。これ以前の要素と以降の要素の奇跡的な塩梅が奏功したのか、売れる要素はあまり感じられないにもかかわらず、前作から大躍進を遂げる全英5位だからね、師匠をはじめ今作をイチオシとするファンの皆さまに激しく同意いたします。



#147 / QUEEN / 1973

★★★★★★★

Queen (320x320)

日本以外では見向きもされなかったと言われているデビューアルバム「戦慄の王女」です。ビッグインジャパンと言われた最初のハードロックバンドは誰なんでしょうね。QUEENの前にもいたのだろうか?プロデュースはロイ・トーマス・ベイカー。オーバーダビングによる重厚なコーラス、ブライアン・メイのギターオーケストレーション、劇的な曲展開など、後の雛形はすでに存在している(こうしたゴチャゴチャした装飾が、伝統を重んじる当時のイギリスでは不評だったらしい。逆にアメリカでは好評だったとか)ものの、後の作品群が素晴らしすぎる故、ファンの間でも過小評価されてしまうのは致し方ないといったところ。それでも“Keep Youself Alive/炎のロックンロール”は青春時代が蘇る大好きな曲です。冒頭のフランジャーがかかったギターが衝撃的でね、何度聴いてもゾクゾク(期待感に胸が躍る?)します。まだまだ粗さはありますが、A面の残りの楽曲”Doing All Right”、“Great King Rat”、”My Fairy King”、総てが懐かしい。B-1の“Liar”は今作収録曲中最長(約6分半)ですが、フレディのセンスが炸裂する、間違いなくクイーンの代表曲でしょう。ロジャーの”Modern Times Rock ‘n’ Roll”も、メイの”The Night Comes Down”と”Son and Daughter”も、それぞれの味が出たアルバムの絶妙なアクセントになっており、後の作品にも欠かせない要素となっていくのでした。ラストにインストの”輝ける7つの海/Seven Seas of Rhye”を配し、アルバムの構成もよろしい。今作のみならず、ボーナスディスクが付属する2011年のDeluxe Editionがお勧めです。主要曲のデモバージョンとかアーリーバージョンが、完成品とかなり違うから面白い。ライブやらインストパートだけってのもあります。本編のリマスター効果は作品によりけりかな。今作に関しては微妙、「オペラ座の夜」は良かった、みたいな。
▶▶BURN / DEEP PURPLEの続き ★1978年放送のヤングジョッキー企画「ハードロックベスト20」の投票結果ですが…第1位がLED ZEPPELINの”アキレス最後の戦い”、2位DEEP PURPLE”Burn”、そして5位がQUEENの”炎のロックンロール”でした。よって今回はそれぞれの曲を収録した3枚のアルバムを紹介させて頂いたというわけなのね。3位と4位がスルーされているのは、BOW WOWの”Signal Fire”(3位)とAEROSMITHの”Kings and Queens”(4位)で、それぞれの元アルバムである「SIGNAL FIRE」と「DRAW THE LINE」は既に紹介してしまったからなのね。ベスト20の中にHRではないビートルズやストーンズも含まれている緩い企画でしたが、78年までに放送されたHMテイストな楽曲が一応選ばれており、要するに渋谷氏のやりたい邦題だな。ちなみに同「プログレッシブロックベスト20」でも、クイーン、ツェッペリン、ビートルズが重複選出されていて、それぞれ”Bohemian Rhapsody”、”聖なる館”、”A Day in the Life”といったプログレッシブな曲がオンエアされました★彡



#179 / SHEER HEART ATTACK / 1974

★★★★★★★★

Queen sheer heart attack (320x320)

ジャケはイマイチながら(笑)内容は間違いなし、こちらも外すことのできないクイーンの3rdアルバムです。ハードロックの香りを残す傑作2ndアルバム「クイーンⅡ」と、ブランドを確立した同4thアルバム「オペラ座の夜」、双方の要素を兼ね備えた作品となっております。冒頭の遊園地だかサーカスだかのSEからして、QUEENワールドへの入り口という雰囲気でワクワクします。そしてブライアン・メイの名曲“Brighton Rock”!ボーカルはメイとフレディ、ハモりパートもコーラスワークも素晴らしい。ギターオーケストレーション炸裂曲でもあり、もう言うことなし。続いて登場するのはフレディの名曲”Killer Queen”!「がんばれ田淵♪」でもお馴染み、説明不要の代表曲ですね。3曲目はロジャー・テイラーの”Tenement Funster”で、リード・ボーカルもロジャーが担当。アルバム1枚につき1曲は、この声が聴きたいよね。これに繋がる形で続くのはフレディの”Flick of the Wrist”、続けざまにフレディの”谷間のゆり/Lily of the Valley”ということで、これら3曲で1セットみたな感じになっている。A面を締めくくるのは、ライブでもお馴染み、メイの”Now I’m Here”。今作を特別な作品たらしめているのはB面でした。A面の3曲同様に、小作品をブランクなしで繋げる手法が使われています。B面に関して特筆すべきは、一連の「流れ」の妙でしょうね。コンセプトアルバム的である点、プログレと言っても差し支えないくらい。矢継ぎ早に繰り出される各曲は全て個性的且つ纏まりもある。まずフレディの”神々の業/In the Lap of the Gods”がイントロダクションの役割を果たし、激しめの4人の共作曲である”Stone Cold Crazy”に続きます。勢いのままここから一気に畳みかけ、クリスマスを想起させるミサ曲の如きメイの”Dear Friends”、美しいメロを伴うジョン・ディーコンの”Misfire”、フレディお得意のファニーなアクセント曲”Bring Back That Leroy Brown”、メイらしい不思議な雰囲気を醸す”She Makes Me”、そして大トリ、フレディが美しく、力強く歌い上げる”神々の業/In the Lap of the Gods Revisited”にて、アルバムは幕を閉じるのでした。ちなみにB面のリード・ボーカルは、”She Makes Me”のみがメイ、その他はすべてフレディです。それにしても、この頃のQUEENはどれを聴いても間違いないね。スベり知らずですよ。1st~7thは全部お勧めです。迷わず聴けよ、聴けばわかるさ。ダァーッ!



#253 / NEWS OF THE WORLD / 1977

★★★★★

Queen news of the world (320x319)

中3の頃の記憶が鮮明に蘇るリアルタイム6thアルバム「世界に捧ぐ」です。アメリカ進出を意識して、思惑通り成功したのは、フィレディの揺るぎない決意に他ならない。映画「ボヘミアン・ライプソディー」でも描かれていた今作のオープニング曲“We will Rock You”の場面、手拍子足拍子のアイデアをメンバーに伝える件が象徴的でした。そこから、流れるように繰り出される真のオープニングナンバー“We are the Champions/伝説のチャンピオン”では、これまで培ってきた王道も披露するという完璧な構成を見せつけます。と同時に、曲のタイトルでは世界進出を高らかに宣言している。ロジャーの”Sheer Heart Attack”、メイの”All Dead, All Dead”と緩急自在にアルバムは進んでいき、PVが印象的だっジョン・ディーコンの“Spread Your Wings/永遠の翼”が満を持しての登場。そしてA面を締めくくるのはいかにもロジャーらしい”Fight from the Inside/秘めたる炎”。B-1はフレディの”Get Down, Make Love”で、アメリカを意識した新機軸。古くからのファンが敬遠しそうな楽曲でした。続くメイの”Sleeping on the Sidewalk/うつろな人生”、ディーコンの”Who Needs You”も同様で、これまでの作品では変化球的役割だったタイプの曲が続きます。次のメイ作“It’s Late”は英国ファンも納得のコーラスワークが聴けますが、やはりアメリカを意識しているような気配。ラストはフレディの趣味が爆発する”My Melancholy Blues”(花のパリ傍~、なめこソバ~)で締めくくり。今回はフレディが3曲、メイが4曲、ロジャー2曲、ディーコン2曲というバランスでした。よってメイとロジャーが2曲ずつリード・ボーカルを担当している。名曲を収録したアルバムではありますが、オールドファンからすると少々毛色の違う作品でした。が結果的に、これまでで最高の全米3位を獲得します。そしてこれを足がかりに、8th「THE GAME」で遂に全米1位に輝くのでした。アメリカのマーケットは本国の10倍?いずれも「オペラ座の夜」を上回る400万枚を売り上げております。



#336 / JAZZ / 1978

★★★★★

Queen jazz (320x320)

この7thアルバムまでは熱心に聴かせていただきました。“Fat Bottomed Girls”や“Bicycle Race”や“Don’t Stop Me Now”を収録してるからね。“Bicycle Race”のPVにおける裸のチャリレースも印象的でしたね。とはいうものの…アルバムのリリースを重ねるごとに、残念ながら個人的に好きなタイプの音楽からは遠ざかってしまいましたね。「世界に捧ぐ」から怪しい気配を感じてました。やはり一番好きなのは3rd~5thのコンセプチュアルな時期かな。次が1stと2ndのハードロック期でそれに次ぐのが6th~8thの大衆向けロック期(笑)といういことになりそうです。まあ個人的な好みはさておき、QUEENというバンド名に負けない存在になったのが凄いよね。アルバムで3億枚、シングルを合わせると4億5千万枚売ったんだって。ビートルズ、エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、アバに次ぐ世界5位って…マジでか!



#431 / LIVE KILLERS / 1979

★★★★★

Queen Live Killers (320x320)

QUEENのように、スタジオアルバムを、音を重ねに重ねて作り込んでしまうと、ライブでは再現できないという事態に陥ってしまいます。“Bohemian Rhapsody”の中間部分がその最たるもので、人員が限られているだけに致し方ない。再現するためのサポートを雇って全員ステージに上げるって選択肢は、1曲くらいならいいかもしれないが基本的には無いしね。そうなるとライブではライブ用の演奏ってことになる。ライブバージョンは別物と割り切れれば楽しめるだろうが…個人的には長らくそういう聴き方ができなかったクチだ。なのでこの盤にはそれほどの思い入れはないです。たしかカラーレコードだったかなくらいのかすかな記憶があるだけ。しかしだ、ヒット曲満載のこのライブを紹介しないのはいかがなものかと。79年のヨーロッパツアー(JAZZツアー)の音源なんですね。フランクフルトを始め収録地の異なる音源が混在しているようです。収録時間の関係で“Fat Bottomed Girl”、“It’s Late”、“Somebody to Love”他1曲がカットされているらしいのはとても残念。フレディは声出てるし、ギターも1本だから何を弾いてるのかよくわかる。音質は良くないかな。“We will Rock You”のファスト・ヴァージョンで始まります。あとはほぼベスト選曲で“伝説のチャンピオン”まで駆け抜けます。個人的には序盤の”Death on Two Legs”、”Killer Queen”、”Bicycle Race”、”I’m in Love with My Car”までの流れが第1のツボ。同じく“Love of My Life”の大合唱から“’39”、”炎のロックンロール”が第2のツボ。もちろんこれ以外にも、”Brighton Rock”で炸裂するメイのギターオーケストレーションとか、”Bohemian Rhapsody”とか”伝説のチャンピオン”とか、ほぼ全曲が聴きどころになってるんだけどね。実は個人的にもっと想い出深いライブがありまして、音源がちょっと古め且つ怪しい盤(パイレーツ的な)なのでまた次の機会に。



#540 / LIVE IN MIDDLESEX 1976 / 1976

★★★★★

Queen live (320x320)

コレがその怪しいライブ。ぶっちゃけ海賊盤!? 忘れもしない高崎の「サウンド・イン・ネギシ」で購入。当時「新星堂」からの流れで必ず中古チェックに立ち寄ってましたな。CDには94年とあるので手に入れたのはおそらくその頃。フレディが亡くなったのをきっかけにリリースされたモノでしょう。どうせ音質が悪いだろうと思いつつ、安いからまあいいかみたいなノリで買ったと思う。同時にVAN HALENのLIVEも買った記憶があるね。アルバムタイトルは上記のとおりですが実際には「Live in Middlesex, UK October '78」と「Hammersmith Odeon, Dec. '76(Christmas concert)」が収録されているらしい。期待していなかっただけにビックリしたよね。と同時にガッツポーズさ。76年の音源はエアチェックして、擦り切れるほど聴いてたあのライブじゃん!予期せぬところで感動の再会。76年の10月10日にヤングジョッキーで放送されたBBCライブをエアチェックしたのね。 Maxellのカセットテープだったな。懐かしすぎるよね~。“Bohemian Rhapsody”以外は1st~3rdの曲で構成されてます。まだまだハードロックしてた時代のライブだからスタジオ盤とのギャップも少なくて良い。※この76年音源、今では映像で見ることができます。速攻でBlu-rayをゲット。ボーナスとして75年5月の武道館ライブが3曲追加。BSでも何度か放映されてます。で、どうやら75年の音源だってことに気付いたわけ。当時のカセットとこのブート盤の音源が同一のライブであることは、フレディのMCからして間違いない。加えてヤングジョッキーのオンエアが76年10月ってことは、76年のクリスマス・コンサートのはずがない。というわけで75年に確定。ブート盤のクレジットは信用するな。



#603 / MADE IN HEAVEN / 1995

★★★★★

Queen made in heaven (320x320)

このパーフェクトなジャケだけでも泣かせるよね。フレディが晩年を過ごした地、レマン湖のほとりモントルーのフレディ像だ。体調がいい時を狙ってレコーディングされました。フレディが亡くなった後に各メンバーのソロ作品を集めて練り直した特殊なアルバムです。ここに収録の“Too Much Love Will Kill You”を歌っているのは フレディですが、ブライアン・メイが歌ってるヴァージョンには更に涙腺が緩んでしまいます。フィレディ、ロジャー、ブライアンが交代で歌うゴスペル調の”Let Me Live”も泣かせてくれるぜ。遺作となった”A Winter’s Tale”は未完部分をブライアンが担当しました。CMでもお馴染みの“It’s a Beautiful Day”によるイントロアウトロ構成も泣ける。もう泣きっぱなしだ。CM+キム拓 と竹内結子で…というか野島伸司が日本で再ブレイクさせたソロ既発曲“I was Born to Love You”も入ってるよ。それにしてもタイトル曲“Made in Heaven”を作った85年には死期を察していたのかね?公式にはAIDS告知前に書かれたらしいけど。ジャケとタイトルは100点!フレディよ永遠なれ!



#929 / THE GAME / 1980

★★★★

Queen the game (320x320)

前作までとは明らかに違うスタイルの全米ナンバーワンシングル“愛という名の欲望”と“地獄へ道づれ”を含む8thです。昔からのファンにとっては問題作なんだよ。短髪のフレディたちがさぁ…PVも大問題でしたね(笑) オープニングの“Play the Game”とエンディングの“Save Me”だけはいつものQUEEN節健在なのに…このアルバムで見切りをつけたファンも少なくないでしょう。一般的には第2黄金期の始まりと捉えられているようです。要するに「売れた」んだから黄金期に変わりはないと。今までもアルバムのアクセントとして色んなタイプの曲が収録されてましたが、今回は多すぎる!アクセント達がメインになってるもの。ブライアン・メイのギターソロやお馴染みのコーラスワークが聴かれる曲はまだしも…全体的には微妙かな。



#1001 / FLASH GORDON / 1980

★★★★

Queen Flash (320x320)

同名映画のサントラですのでご注意ください。実質1曲といっても過言ではないのです。バンドの曲として成立しているのは、流石のQUEEN印に仕上がってる“フラッシュのテーマ”だけ。その他のいかにも劇伴的なモノは“フラッシュのテーマ”を断片的に使用しているだけなんだな。レコーディングしたのは1曲分だけ?そういうつもりで聴いてね。やはり「ゴールじゃない!」は名作空耳だと思います。ベスト盤に入ってるだろうからこのアルバムを聴く必要はないでしょう。だったら映画を見た方がいいね。何しろジョージ・ルーカスが撮りたかった原作らしいから。映画化権をすでに押さえられていたため断念して、代わりに作ったのがあの「スター・ウォーズ」なんですと。凄いエピソードだと思いませんか?ストーリーは…なるほど似てるかも。



#1236 / INNUENDO / 1991

★★★★

Queen innuendo (320x320)

フレディ存命中にリリースされた最後の14thアルバムです。個人的には「THE GAME」を最後にQUEENからすっかり遠のいておりました。「FLASH GORDON」はともかく、その後の4枚はアメリカを意識した楽曲で、もはや我らがクイーンではなくなってしまったから。そんな折、このアルバムを師匠が持ってきたんだよ。昔っぽいから聴いてみろってことだったと思う。オープニングのタイトルトラックは良かったね。凝った構成がなかなかプログレッシブだ。作曲はロジャーで、途中のフラメンコギターはYESのスティーブ・ハウが弾いてます。あとはとにかくエンディングの“The Show Must Go On”でしょう。これはもうタイトルからして泣けるし、すっかり痩せ細った姿のPVも泣けるし、高いキーでの熱唱に泣けるのだ。血涙振り絞るとはまさにコレですよね。本調子で歌えたはずはない。比較的に体調がいい時を見計らってレコーディングされたに違いない。原点回帰が垣間見えるとはいえ、総じてそれほどの出来ではないかもしれないけど、前出2曲だけで十分なのだ。「オペラ座の夜」や「華麗なるレース」の頃までは戻れないにしろ、もう少し時間があったなら、もっともっと凄い作品を遺せたに違いない。



#1630 / THE WORKS / 1984

★★★★

Queen the works (320x320)

11枚目のスタジオアルバムです。この頃になるとQUEENに対する興味はすっかり薄れておりましたゆえ、特に思い入れはありませんでした。“レディオ・ガ・ガ”なんてね、とうとうこんなことになってしまったかと嘆いたものさ。ところがだ、昨年の「ボヘミアン・ラプソディ」を観てすっかり話が変わったよね。LIVE AIDを収録したDVDも何気に持ってたことも確認したし、今回何をレビューしようかと迷うこともなし。むしろこのアルバムしかないでしょ!「よくぞこのアルバムを残してたね自分」という感じ(笑) 1枚目のレビューが「オペラ座の夜」というQUEENファンであるからして、このタイミングでこのアルバムを紹介できるのは小さな奇跡と呼んでもいいんじゃないかと思えるほど。 ロジャー・テイラーの“Radio Ga Ga”も、ジョン・ディーコンの“I Want to Break Free”も、ブライアン・メイの“Hammer to Fall”も、MTV時代を象徴する曲で懐かしい。結局のところ最もクイーンらしくて良かったのは、フレディ・マーキュリーの“It’s a Hard Life”だったけどね。というわけで、余韻さめやらず、年が明けてもクイーンばかり聴いてます。



#1631 / LIVE AT WEMBLEY '86 / 1992

★★★★★

Queen live at Wenbley (320x320)

今回も例の映画のおかげで再確認した1枚、世界売り上げ450万枚、フレディへの追悼アルバムとしてリリースされた実況録音盤です。86年7月12日、場所はロンドンのウェンブリー・スタジアム、フレディが参加した最後のツアーとなりました。“One Vision”で始まる当時のベスト選曲で、古い曲が少ない所がイマイチと評価していましたが…映画でLIVE AIDが蘇った直後だけに…というわけ。したがって、終盤の“Bohemian Rhapsody”から“Hammer to Fall”、2曲挟んで“Radio Ga Ga”から“We Will Rock You”、この後リリースされる新曲“心の絆 / Friends Will Be Friends”を挟んで“We are the Champions”から“God Save the Queen”“のエンディングにそそられます。映像作品ではないので恐らくですが、最後は女王様の出で立ちでオーディエンスの前に、皆は合唱で応えるというお約束が思い浮かんで目頭が熱くなりますな。とはいえ、これから手に入れるならDVDでしょうね。



#1914 / AT THE BEEB / 1989

★★★★

Queen at the beeb

日本では「女王凱旋!~旋律のライヴ・クイーン~(AT THE BEEB)」として90年に、アメリカでは「LIVE AT THE BBC」のタイトルで95年にリリースされた作品。このBBC音源は73年にラジオ放送用に収録されたもの。スタジオライブって感じ?客はいないよね。それどころかギターやらヴォーカルやら多重録音(もしくは既存のテープに合わせて演奏…それは無いか)されているみたいだし。後に演奏されるライブバージョンではなく、スタジオバージョンをそのまま再現しております。例えば、”Keep Yourself Alive”のヴォーカルの主旋律パートは重なっている部分があるため一人では無理。片方がロジャー・テイラーだったらビックリだけど…デビュー当時で若いとはいえ声質が明らかに違う。収録曲も全8曲とかなり控えめだ。”Ogre Battle”以外はすべてデビューアルバムに収録されている曲だよ。ちなみに前半4曲は2月に、後半4曲は12月にそれぞ録られたものらしい。個人的にはスタジオヴァージョンとの違いを楽しむ作品かな。ただし、後々もっとコアな音源が出たりするから、今となってはという気がしないでもない。ところが当時同じ内容とはつゆ知らず、日米両盤を買ってしまいました。特にライブ盤の場合、購入の際には情報収集が必要不可欠かと。欧州&日本盤と北米盤ではタイトルのみならずジャケも異なる。



#2001 / THE MIRACLE / 1989

★★★★

Queen the miracle

2年間の長期休暇を経て制作された13thアルバムです。レコーディングも1年がかり。休暇中は…フレディはモンセラ・カバリエと異色のコラボ、92年のバルセロナ五輪にて見事に結実しました。ロジャーは自身のバンドでギターを弾いたり、ブライアンはBAD NEWSをプロデュース(ジョンがバッキングヴォーカルで参加)したり、またフィレディの「バルセロナ」にはジョンが、ロジャーのアルバムにはフレディが参加とそれぞれが楽しんでいる様子なので、ホントにリフレッシュ休暇だったらしい。そして、今作レコーディング中に、フレディがHIVに感染していることをメンバーに伝えたとされています。カウントダウンが始まってしまったんだね。映画「ボヘミアン・ラプソディ」では告知からのLIVE AID出演となっていましたが、LIVE AIDは85年だからアレは脚色ということ。映画としては素晴らしい脚色だから問題ない。今作タイトルは「奇蹟」であり、メンバーの顔が融合したジャケに想像が膨らむでしょ。背景が天国に見えなくもない…とか考えるとキリがなくなる。さて印象に残った曲…まずはタイトルチューン、コレが一番QUEENらしい曲かな。”Play the Game”の焼き直し的メロがあるのはご愛敬。ちなみにシングル第5弾。続く”I Want It All”も先行シングルとしてリリースされるほど納得の作品。中盤はブライアン・メイが歌っている。シングル第3弾”The Invisible Man”はロジャーの作品だが「ゴーストバスターズ」みたい(笑) 。第2弾シングル”Breakthru”はフレディの曲とロジャーの曲を合体させたとのこと。そして4番目のシングル”Scandal”はブライアンの作品。アルバムの最後を飾る”素晴らしきロックン・ロール・ライフ/Was It All Worth It”もいいですな。終盤サントラみたいになるところとか、よく練られている。ボートラの”Chinese Torture”はブライアンのレッド・スペシャル・サウンドが炸裂する小インスト作品。



#2108 / WE WILL ROCK YOU / 1992

★★★★

Queen we will rock you

新星堂とセットで通った「サウンド・イン・ネギシ」で入手した怪しい1枚…どうやらイタリアのブート盤らしいのだが、 ON STAGEというシリーズで多くのアーティストが餌食になっている模様(笑)。賞味期限切れのアーティストが狙われているのは、そこに何らかの法の抜け道があるからに違いない。JIMI HENDRIX、JANIS JOPLIN、DOORS、THE WHO、ERIC CLAPTON、THE ROLLING STONES、CCR、LED ZEPPELINDEEP PURPLEなどなど。ね、古いでしょ。今作に関してはほぼ「LIVE KILLERS」の音源が使用されているとか。そうなのかね、ちょっと雰囲気が違って聴こえるんだけれども。ヴォーカルにディレイを使った中間部分が印象的な”It’s Late”が、収録時間の関係でカットされたという「LIVE KILLERS」音源だとするならば、”Melancholy Blues”と”Son and Daughter”別の音源ということになると思われます。音源が音源だけに所謂ブート盤の音質に比べるとかなりマシ。まあQUEENマニアの方々なら、3曲のためにゲットしてもいいかも…いや既に別の盤で聴ける音源という可能性が大きいかな。



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