PRIMAL FEAR
PRIMAL FEAR（Germany/独）
#2049 / PRIMAL FEAR / 1997
★★★★
GAMMA RAYのラルフ・シーパースとSINNERのマット・シナーが組んだバンドのデビューアルバムです。歌唱力は折り紙付きなので期待を裏切ることはないのだが…イントロダクションに続いて繰り出される実質的オープニングチューンはまるでJUDAS PRIESTの如し。そうか、JPへの挑戦状なんだね。これには経緯がありまして…GAMMA RAYを脱退したシーパース。JPのオーディションを受ける。ドイツ語訛りの英語を理由に落選。そこにマット・シナーの助け舟。リベンジを誓った結果がこのOP曲だと推察できる。曲名からして”Chainbreaker”だもの。これは誰しも”Jawbreaker”を想起するでしょ。サウンド的にもJPがヨーロピアンHRから脱却してバリバリのHMに転身を遂げた「背徳の掟」メタリオン期の雰囲気だ。ジャケは鳥だから「復習の叫び」のヘリオンかな。聴き進むと当然ながらジャーマン臭も垣間見えるし、DEEP PURPLE”Speed king”のカバーもあったり、JPを意識しすぎている感じはない。とにかくシーパースが絶好調です。それだけでも一聴の価値あり。2ndは歌唱も曲調もヘヴィになるけれど、個人的には今作くらいが丁度いい。何より驚いたのはバンドが続いているということ。メンバーチェンジはあるものの、2020年までに13枚のアルバムを重ねている。しかも2015年頃からトリプルギター体制に。立ち上げメンバーのトム・ナウマン（SINNER）、アレックス・バイロット（SINNER）、マグナス・カールソン（新世代ギターヒーロー）という顔ぶれで、半分SINNER状態になっているのはさておき(笑)…マグナス・カールソンの存在が気になる。マグナスが加入した8th以降は要チェックかな。
