NICE
THE NICE(UK/英)
#294 / THE BEST OF THE NICE / 1971
★★★★★

デビューアルバム「ナイスの思想」をリリースしたのが68年ということは「クリムゾンキングの宮殿」発表の前年であり、プログレッシブロック黎明期に登場した始祖の一つとされています。当初はギターを含む4人組でしたが、新作のレコーディング中にギターを解雇、BODASTというバンドにいたスティーヴ・ハウに加入を要請するも断られ、ギタリスト不在のキーボードトリオとしてやっていくことになります。この体制で2nd「少年易老学難成」を完成させ、69年にはライブ録音+スタジオ録音の変則盤3rd「ジャズ+クラシック/ロック=ナイス」をリリース。そして年末に行われたキング・クリムゾンとのUS公演におけるグレッグ・レイクとの出会いですね。そもそもクリムゾンはロバート・フリップのプロジェクトなわけで、レイクもそこまで執着はなかったのかもしれない。ここにATOMIC ROOSTERのカール・パーマーが加わり、後にプログレ四天王と呼ばれることになるスーパーグループ、EMERSON LAKE & PALMERが結成されるのでした。NICEに話を戻すと、キース・エマーソンのルーツとして興味はあるものの、さすがに古臭さは否めないかな。”America”という素敵な曲(ギター入り)もありますが、まだまだサイケロック寄りという感じ。よって、キース・ファンでもない限り、最初はベスト盤を聴くのがベターだと思います。