NATION
NATION(Sweden/瑞典)
#1230 / WITHOUT REMOSE / 1995
★★★★

オープニングの大作“See Them Fall”“だけで大満足の2ndアルバムです。久々のガッツポーズだったよ。82年にEUROPE(スウェーデン)、83年にBISCAYA(スウェーデン)、84年にMADISON(スウェーデン)、PRETTY MAIDS(デンマーク)、TNT(ノルウェー)などなど…北欧メタルが紹介され始めたあの頃の感動が蘇る素晴らしい1曲です。ツボを心得た曲構成に加えギタリストの技量がハンパないのであります。スウィープを多用しているプレイに90年代を感じてしまいますが(この奏法はあまり好みじゃないのね。自分が弾けないから妬んでるわけじゃないぜ(笑))これだけビシッと決まるとやっぱり気持ちいい。もちろんスウィープだけじゃないしね。ここで終わるだろってところで終わらない長尺のギターソロにも感動します。もちろん無駄に長いわけじゃないよ。どのギターソロもよく練られてるのでアルバムの聴きどころであることは間違いない。総じてハードポップ路線になってしまった北欧勢の中にあって貴重な作品を作ったのにコレを最後に消えてしまいました。ギタリストにソロアルバムの話なんぞなかったのでしょうか。同郷ゆえリスペクトを感じられるから蛇足と切り捨てたりしませんが、ABBAのカバー(アバメタルにも収録)はもうちょっとアレンジに凝ってほしかったね。せめてギターだけでも弾き倒してほしかった。
#1651 / CHASED BY TIME / 1994
★★★★

素晴らしい2ndアルバムでB誌を賑わしたバンドのデビューアルバムは、方向転換後のTNTのようなハードポップ路線でした。これが、EUROPEが先鞭をつけた当時の北欧勢が進むべき道だったから仕方ないけど、次作にて時代に逆行してハード路線に舵を切ったのは素晴らしい決断でしたね。さて今作ですが、1曲目のイントロを聴いた段階では初期の北欧メタルを期待したんだけどね、歌が入ったらやっぱりそっち系だったよ。それでも、ギターソロは長めだったから更に期待して聴き進んでみると…こちらも徐々にトーンダウンしてしまう。実力の片鱗は垣間見えるものの、そこまで弾きまくっているという印象も残らず…そもそもギターの音色そのものが2ndとは違うもの。ネオクラ系インギー・フォロワーと捉えられていたから、その良し悪しはともかくとして、キッチリ考え抜かれた完璧なソロを披露した2ndより、こちらの方がインギーっぽいとは思います。ちなみにギタリストの名はJOHNNY ÖHLIN(オーリンと思いきやウリーンという書き込み多数)と申しますが、日本では瞬間的に盛り上がったものの、ビッグネームにはならなかったね。