METAL CHURCH
METAL CHURCH(US/米)
#371 / THE DARK / 1986
★★★★★
ゴルフ場のキャディという地元ならではの仕事で得たバイト代の主な使い道は、毎週土曜日の居酒屋→行きつけのカラオケスナックで半分が消え、残りの半分は「新星堂」等でのレコード購入(ほぼ輸入盤)と「友&愛」でのレンタル料およびカセットテープ代といいったところ。かっこいいかどうかはともかくとして、ごくごく小さいレベルの「酒とロックの日々」でした。そんな時期の、数あるレコードの中の1枚がこの2ndアルバムです。大枚を叩いた(当時の気持ち)レコードに関しては、ほぼ例外なく何度も聴いたからね、一般的にはもっと評価の高いアルバムがあったとしても、個人的にはそれがイチオシということになってしまうわけ。たぶん新星堂の輸入盤コーナーで買ったのだと思う。スラッシュメタル誕生以前からそれっぽいことを演っていた、カート・ヴァンダーフーフ率いるUSパワースラッシュメタルバンドです。デヴィッド・ウェイン(今作で脱退。再結成時に復帰するも再度脱退。2005年に死去)のスクリーム系暴虐ボーカルも含め、スピード感のある音楽性にハマりました。オープニングの“Ton of Bricks”で掴みはオーケー。他には”Method to Your Madness”、”Over My Dead Body”、タイトルチューン、”Psycho”などが聴きどころでしょうか。ちなみにウェインの後任として加入したマイク・ハウが加わった3rdおよび4thがバンドの最高傑作とされていますが、これら2枚の作品を残しハウが脱退、バンドは解散します。再結成後の2015年に復帰したハウも、ウェインに続いて2021年に急死、現在は新ボーカルを迎えて活動中らしい。
#534 / METAL CHURCH / 1984
★★★★
スラッシュ以前の、とりあえずUSパワーメタルという括りになるのでしょうか?そういうバンドのデビュー・アルバムです。歌えるヴォーカリスト、デヴィッド・ウェインに注目が集まると思いきや…“ハイウェイ・スター”なんかカバーするものだから、そっちに注目が集まっちゃったね。カバー曲としてはベタ中のベタ、というかベタすぎてプロなら避けるはず。アマチュアバンドがコピーする代表曲だったよね。いわば禁じ手を使ったわけだから、そりゃあ注目されるって。このアルバムは、B誌でレビューされたこと+ジャケのインパクトでタジが買ったんだったかな。速攻で録音してもらったと記憶しております。すでに紹介済みの2ndアルバムとコレこそが我々のメタル・チャーチ。その後の作品も評価は高いみたいだけどね、やっぱヴォーカルがデヴィッド・ウェインでギターがカート・ヴァンダーフーフじゃないとね。
#1209 / THE HUMAN FACTOR / 1991
★★★★
デヴィッド・ウェインに代わって前作から加入したヴォーカリストは元HERETICのマイク・ハウという人でした。HERETIC…何ともマイナーなバンドだけど、実はEPを持ってます。当時、新星堂の輸入盤コーナーで買ったのはハッキリ覚えてますが、肝心の中身が記憶にない(笑) 気が向いたらチェックしてみようと思いますが。そのマイク・ハウ時代のイチオシ(一般的に)がこの4thアルバムです。オープニング曲に期待は膨らんだのだが…それほどのインパクトは無いかな~。迫力不足?良くも悪くもマイク・ハウ効果なんでしょうね。ちょっとキャッチーな要素が増してる。デヴィッド・ウェイン時代と比べちゃダメなんだろうけど…USパワースラッシュなザクザク感は好きだし出来も悪くはないんだけどね、本来は好きなジャンルなのに物足りない。疾走感だったり緊張感だったり。やっぱ原因はヴァンダーフーフが抜けたからかな。ちなみに後任ギタリストのジョン・マーシャルはカーク・ハメットのギターテックだったそうです。それが縁でジェームズが怪我で離脱した際の代役も務めたんだとか。
#1664 / HANGING IN THE BALANCE / 1993
★★★★
スラッシュメタルに影響を及ぼしたとされるバンドの5thアルバムです。確かにデビッド・ウェイン&カート・ヴァンダーフーフ時代の2枚はそういう迫力があったよね。その後ヴォーカルとギターが交替して、ちょっとキャッチーな要素が加わり、これがその面子による3枚目ということになります。ジャケの雰囲気は随分変わりましたが(笑)内容は前作の延長線上にあるのかな。歌詞のメッセージ性はともかく、あからさまにキャッチーなメロもあり、個人的なMETAL CHURCH像とは異なる。スネアの音も苦手なタイプ。それでもバラエティに富んだ曲調を心がけてはいるようで、特に後半は盛り返すんだけども…そうだね、#7の大作“Little Boy”以降はいい出来。リトルボーイってことは、テーマは反戦でしょうか。もしやジャケのキャラクターもリトルボーイ?いや、体型からしてファットマンか!? #9“End of the Age”もアコギが効果的で静と動のコントラストがすばらしい佳曲だし、インストもいいね。気になったのは時折JUDAS PRIESTみたいだよね。というかマイク・ハウがロバート・ハルフォードみたいだ。声質、歌メロ、歌い方、声の出し方、全てが似ている。特に#2と#8あたりの曲調。元々似てたのか、寄せてってるのか、いずれにせよロブが好きなんだろうな。この後マイクは脱退しますが、98年にウェインとヴァンダーフーフが揃って復帰。99年に「MASTERPEACE」をリリースします。
#1923 / LIVE / 1998
★★★★
2nd「THE DARK」リリース後の86年のライブ演奏なのでもちろんオリジナルメンバーでございます。収録地はテキサス州ダラス。やっぱシンガーが上手いといいですな。安心して聴けるもの。しかしそのシンガー、デビッド・ウェインは間もなく脱退してHERETICに移籍する。そもそもHERETICのヴォーカル(マイク・ハウ)がデビッドの後釜としてMETAL CHURCHに加入したからなんだけどね。何かしらのドラマはあったのだろうが…端から見れば2バンドのシンガーが入れ替わっただけなのね。オープニングの”Ton of Bricks”の出だしがオリジナルより走っててリズムが破綻しますが(笑)1曲目はこれしかなかろうと納得。締めは”Highway Star”です。デビューアルバムに収録されていたDEEP PURPLEのちょい速パワーメタルVer.のカバー曲で、良くも悪くもこの曲のイメージが強いからこれまた納得。ライブならではなのかな、個人的にはベースのフレーズに耳を惹かれるアルバムでした。この時点でアルバムを2枚しか出していなかったとはいえ、全10曲はちょっと食い足りないね。ダラス以外にも音源はあるだろうにね、あと5曲くらい増やしてほしかったな。