MEKONG DELTA
MEKONG DELTA(Germany/独)
#583 / MEKONG DELTA / 1987
★★★★
レコードを買った1stアルバムです。クラッシックとメタルの融合を目指した結果、プログレッシブ・スラッシュという括りになっているようですね。ベースのラルフ・ヒューベルトのプロジェクトらしい。ドラムは元RAGEのヨルグ・マイケル(デモはRAGEのピーヴィーが録ったのだとか)でギターの2人はLIVING DEATHのメンバーだ。よってそのサウンドも…クラッシック云々を除けばレイジ+リヴィング・デスって感じがしないでもない(笑) すべてはラルフ・ヒューベルトの頭の中ですね。手始めにこういう形になったというところでしょう。なかなか個性的な音ではあると思います。件のクラシック曲として “バーバ・ヤーガの小屋”(展覧会の絵)を収録してます。その後もクラシックの名曲をちょいちょいカバーして、最終的にはキーボーレスEL&Pの面目躍如的な丸ごとクラシックカバーアルバムを製作します。EL&Pが果たしたクラシックとロックの融合を、より激しい形で実現したいわけね。
#1287 / DANCES OF DEATH / 1990
★★★★
ジャーマン・プログレ・スラッシュメタルバンドの4thアルバムです。音質がイマイチなのは相変わらずですが、そんな事は忘れてしまうほど19分越えの組曲形式タイトルチューンが凄まじい。ラルフ・ヒューベルトのこれまでの構想が結実した1曲となりました。この編成でやれることはやり尽くしたと判断したのでしょうか、この後スラッシュメタルから徐々にプログレ方向にシフトしていきます。そういう意味でこのアルバムは一つの区切りですね。オーケストラと共演したりするのはこの手の音楽の常套手段だから、やっぱキーボー無しってとこが最大のポイントだ。今回のクラッシックカバーは定番中の定番“Night on a Bare Mountain”(はげ山の一夜)なんだけどさ、毎度の事ながら無理してる感が面白い(笑)。キーボーレスのクラシックカバー…普通は躊躇するよね。ドラマーはRAGEに居たこともあるヨルグ・マイケル。後にAXEL RUDI PELLやGRAVE DIGGERやRUNNING WILDやSTRATOVARIUSそしてドイツだけに留まらずSAXON等にも在籍する売れっ子ドラマーなんだよ。
#1672 / KALEIDOSCOPE / 1992
★★★★
EL&P愛を公言するジャーマンの変わり種プログレ・スラッシュバンドの5thアルバムです。前作の混沌とした音楽性から一転、有名カバーを交えて聴きやすい方向にシフトしてきました。その変化はVOIVODが「ANGEL RAT」に至った道程との共通性を感じるし、現にVOIVODみたいに聴こえる曲があるね。オリジナル曲はすべてラルフ・ヒューベルトの作品で、彼の変化がバンドの変化ということ。元より素養はあるわけですが、プログレ方向に大きく踏み込んだ感じでしょうか。変わらずクラシックとの融合を標榜するなら当然そうなってくるよね。今回のクラシック曲は定番「剣の舞」。有名すぎて逆に気にしたことがなかったけど(笑)1942年アラム・ハチャトゥリアン作のバレエ曲だそうです。それから…大御所プログレバンドGENESISの“Dance on a Volcano”をカバー。今までならスラッシュ強めのアレンジになったところでしょうが、まあギターは歪んでいるものの、ほぼオリジナルに忠実なカバーとなっているのがミソ。コレを進化と呼ぶか否か、MEKONG DELTAに何を求めるかによって変わってくる。