MAJESTIC
MAJESTIC(Sweden/瑞典)
#1858 / ABSTRACT SYMPHONY / 1999
★★★★

とりあえずインギーのそれであることは間違いありません。所謂正統派の様式美系。イェンス・ヨハンソンの如く弾きまくる鍵盤奏者リチャード・アンダーソン率いるネオクラバンドのデビューアルバムです。”Golden Sea”や”Black Moon Rising”のメロディは、ジェフ・スコット・ソートが歌うことを想定して作ったとしか思えないほど…ここで歌っているPOLE POSITIONのヨナス・ブルムも及第点以上(そういえば声質がソートに似てるね)なんだけど…やっぱソートが歌ってたら究極なのかなと。結果として、イェンスが主導権を握ったINGWIE MALMSTEEN BANDという感じでございます。まあ鍵盤がメインなのは仕方ないとして、インギーを敬愛するピーター・エスピノーザというギタリストもリチャードのプレイと堂々渡り合う腕前だし、リズム陣もほぼ無名だけどテクニシャンです。ドラマーは、エスピノーザのバンドのオーディションを受けた縁でベーシストが、更にはそのバンドメイトだったということでシンガーのヨナス・ブルムが誘われたらしい。イチオシは、前出曲の方向性も魅力的だけどね、壮絶なバトルを繰り広げるスピード曲”Nitro Pitbull”にしておきます。2ndではシンガーがアポロ・パパサナシオに、ドラマーがピーター・ウィルドアーに交代。ギターも新人に交代します。
#2073 / TRINITY OVERTURE / 2000
★★★★

リチャード・アンダーソンのワンマンバンド、2ndアルバムにしてラストアルバムです。かの鍵盤魔人様(推定身長200㎝)はこの後も同様の活動を続けるのでした。ギターを鍵盤に持ち替えたインギーという雰囲気は前作と変わらず、いや前作以上(笑)、中心人物が変わらなけりゃ音楽性も変わらない点もインギー同様ながら、好きなんだからしょうがないと開き直ったか、時代を逆行したネオクラは最早ナツメロの如し。前作にあったギタリストとの共作曲がなく、総てをアンダーソンが作曲したからだと思われる。まあそれでもネオクラ・スピードチューンは十分に魅力的だ。交代したメンバー…シンガーのアポロ・パパサナシオ、ギターのマグナス・ノード、ドラムのピーター・ウィルドアー。流石にアポロの歌唱は安定感抜群ですが、北欧メロの妙となれば前任者に軍配が上がるか。アポロのメロはちょっと古いタイプの、まさに往年のインギーのアレになっている。魔人に命じられたのかもしれないし、アポロが忖度した可能性もある。とりあえず今回のギタリストもテクニカルで魔人と渡り合っております。ドラマーの上手さを評価する耳を持ち合わせていないのでよくわからないが、まあ間違いなく職人の仕事っぷり。