Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

KANSAS

KANSAS(US/米)

#99 / LEFTOVERTURE / 1976

★★★★

Kansas leftoverture (320x317)

前身バンド時代、ドラマーが全盛期の英国プログレに触発されて宗旨替え、73年にカンサスと改名(カンザス州出身)したアメリカンプログレバンドの4thアルバム「永遠の序曲」です。”Carry on Wayward Son(伝承)”がシングルヒットして、アルバムも400万枚売れています。プログレとポップ(ハードロック)の見事なブレンドという点で、今作および次作あたりが全盛期ということで間違いないでしょう。よってイチオシはコレ。トリには8分超のその名も”超大作/Magnum Opus”を収録。6つのパートから成る組曲となっています。STYXやJOURNEYやBOSTONと同じ括りで語られることが多いわけですが、プログレ度の高さは一番。カンサスのイメージは歌とバイオリンですね。総じて、激しいリズムチェンジ等があるわけでもなく派手さには欠けるけれど、今作に於ける曲展開の妙、は極めてプログレ的です。特に後半(アナログB面)にはバンドの魅力が凝縮されていると思います。バンドのブレーンはスティーヴ・ウォルシュで、ヴォーカルと鍵盤を担当。そこにギターと鍵盤のケリー・リフグレン、ヴァイオリンとヴォーカルのロビー・スタインハート、さらにギター、ベース、ドラムという6人編成です。マルチ(多芸)なメンバーが3人いるってのが強みでしょうね。メロがしっかりしたヴォーカル(コーラス)もウリです。英国プログレとはかなり異なる仕上がりだ。もちろんプログレ四天王よりは後発組だし、アメリカのバンドだったりするので、英国勢とは別物と捉えられているようですね。キャリアが長いことや、USプログの次世代に影響を与えた功績を考えれば、プログレ10大バンド(5大バンドは確定)くらいには入ってもいいかなと思いますが、世界には強者がたくさんいるからね、残り5席なんてすぐに埋まっちゃうのよ。20大バンドならいけるかな(笑)



#393 / POINT OF KNOW RETURN / 1977

★★★★

Kansas 明日への曳航

爆売れ「永遠の序曲」に続く5th「暗黒への曳航」でございます。前作の大成功を受け今作も400万枚のセールスを記録しているそうです。こうれはもう間違いなくバンドのピークでした。今回のシングルヒットはCMでも使われてたアコースティック曲“Dust in the wind(すべては風の中に)”です。エリック・クラプトン的な雰囲気が漂う名曲でしょう。ライブでも盛り上がること必至ですな。さてアルバム全体としては前作の延長戦といった趣。いわば目論見通りの仕上がりなのですが…プログレ度が少々減退してしまいましたね。旧A面B面それぞれの締めくくりに大作を据える形式は変わっていないとはいえ、前作に於けるオーラス曲”Magnum Opus”ほどのプログレ大作が見当たらない。A面ラストの”Closet Chronicles”およびB面ラスト”Hopelessly Human”の2曲が長めなだけで、概ねコンパクトな楽曲が多い印象です。もちろん長けりゃいいってもんじゃないけれど、プログレ度を測る重要な尺度だと思っているので。それでもスティーヴ・ウォルシュは絶好調。デニス・デ・ヤングほどではないにせよ、個性というか主張が強めの人だからね、次作ではさらにプログレ度が後退するんだけども、この人が歌っている限りカンサスはカンサスなのかな。



#821 / MONOLITH / 1979

★★★★

Kansas monolith (320x320)

2001年宇宙の旅」に登場する謎の石板がジャケにも描かれている「モノリスの謎」です。映画の冒頭でヒトザルの進化に影響を及ぼし終盤では主人公をスターチャイルドに進化させたあのモノリスでしょうね。叡智の塊ということなのかな。まあそれは置いといて、カンサスは基本的に歌モノだから露骨にプログレしてるわけじゃないところが食い足りないといつも思ってしまう。間奏部分にプログレ的展開が少々垣間見られる程度。あとバイオリンか。空気感はほとんどFOREIGNERだよ。これがアメリカンプログレというものなんだね。ともあれスペックは高し。





#1080 / SONG FOR AMERICA / 1975

★★★★

Kansas song for america (320x320)

アメリカンプログレの代名詞による2ndアルバムです。後のKANSASとはちょいと印象が異なる点が逆にいいね。概ねSTYXあたりとの共通点を見出せるのは当然でしょうが、中にはCHICAGOやらTOTOやらを思い出してしまうような曲もあって楽しい。もちろんプログレ志向の大作は文句なく素晴らしいです。何と言ってもヴァイオリンがいい味出してるのがKANSASの真骨頂でしょう。今回あらためて気付いたのがヴォーカルブルージーなの歌い回し。これも世代によって印象は異なるでしょうが…要するにポール・ロジャース風なわけですよ。個人的にはルー・グラムに聴こえちゃう。だから当然FOREIGNERっぽいなって感じね。まあそういう要素もあるってことでバンドの方向性は違います。プログレと呼ばれてるくらいだから楽曲はより複雑で凝ってますよ。やっぱいいバンドですな。



#1182 / MASQUE / 1975

★★★★

Kansas masque (320x320)

STYX(一般的にJOURNEYやBOSTONも同系統に括られます)と並ぶアメリカンプログレの草分けバンドの3rdアルバム「仮面劇」です。ドラマーのフィル・ハートが英国にて体験した全盛期のプログレにアメリカならではの大陸的空気感と適度なポップさを乗せた独特なプログレ、これがカンサスの目指した音楽、所謂アメリカンプログレなんですね。ロックンロール系のスティーヴォ・ウォルシュ(Vo&Key)とプログレ系のケリー・リフグレン(G)の絶妙な塩梅、そこに歌えるヴァイオリニストが絡んでくる構図。更には、6人のメンバーが掛け持ちすることでツイン・ヴォーカル、ツイン・ギター、ツイン・キーボード体制となっております。特にこのアルバムは「アメリカンプログレはプログレじゃねえ派」(笑)を納得させるに十分な作品だと思います。“Icarus-Borne on Wings of Steel”と“The Pinnacle”を聴いてほしい。系統は違うけどジェネシスなんかよりよっぽどプログレしてるから。ジャケはイタリアのアーチストが1566年に発表したFOUR ELEMENTSの中の“Water”という作品らしい。自然界を構成する4大要素は「地球」「水」「空気」「火」だと信じられてた時代の話…。で、人の横顔に見えますが実は海の生物の集合体です。



#1816 / KANSAS / 1974

★★★★

画像の説明

「カンサス・ファースト・アルバム」です。ヴァイオリンが特徴的ではありますが、ハモンドの音からしてプログレ以前のUKロックという感じの曲もあるね。HR要素もあるから、DEEP PURPLEの3rdとか初期URIAH HEEPみたいな雰囲気も。言うなればサイケデリックロックとHR/プログレの間、まだカンサス流アメリカン・プログレになっていない段階なので、逆にカンサス臭がちょっと、という人にはお勧めできるアルバムかも。この時期UKプログレは頂点を迎えた後で、ほぼほぼ出尽くした感があったからね、クリムソ以前に活路を見出そうとしたのかな。それでも長尺曲では、UKに追い付け追い越せとばかりのプログレを展開しております。およそ8分の”Journey from Mariabronn”、10分弱の”Apercu”にラストの”Death of Mother Nature Suite”の3曲がそれ。後の作品に比べると、まだまだ洗練されていませんがね、気概は十分に感じられる。後の”Dust in the Wind”に繋がっていると思われるバラード”Lonely Wind”で歌っているのはTHE TOKENSの人らしいけど…スティーヴ・ウォルシュ若しくはメンバーの誰かが歌うべきだったと思う。



#1930 / TWO FOR THE SHOW / 1978

★★★★

Kansas two for the show

アメリカンプログレの範疇にあって最もプログレしているバンド、カンサスのファースト・ライブ・アルバム「偉大なる聴衆へ」です。全盛期のライブだから間違いない。セットリストが似ている92年の「LIVE AT THE WHISKY」でも健在ぶりがチェックできますが、やっぱりコレだね。音源は77年~78年の3つのツアーからチョイスされたベストテイク。当時アナログ2枚組でリリースされ、CD化に当たって1枚に纏められました。まあそれはそれで十分楽しめるんだけれど、できればアルバム30周年記念の2008年リマスター・ヴァージョンを入手すべし。なんとボーナスディスク付属で11曲増量なんですぞ!しかも、追加された曲で聴けるハードロックテイストがまたいいんだな。アメリカン・プログレの面目躍如か。コレがあるからSTYXやBOSTONと同列になるわけかと妙に納得してしまった。ハードなギターに加えてオルガンが目立つから、かつてのDEEP PURPLEURIAH HEEPの雰囲気もある。いろんなタイプの曲が聴けるカンサスの集大成、大満足の30周年記念盤でした。ジャンルの壁を超えた実況録音盤の名作です。



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