Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

EMERSON LAKE&PALMER

EMERSON LAKE&PALMER(UK/英)

#37 / WORKS / 1977

★★★★★★★

ELP works (320x320)

プログレ四天王、スーパートリオの異色作です。ライブ盤で前期に区切りをつけた後、3年振りの後期幕開けを宣言した6thスタジオアルバム。なのでいきなりこの作品を勧めるヤツはいないんだけどね…レコードを買っちゃったんだよ。ちなみにこの頃、父親の知り合いのステレオマニアによる手造りコンポを譲ってもらうって話があって、試聴するために持って行ったのがこのレコードだったのね。手造りなのはもちろんアンプ(真空管)の部分だけで、プレーヤーはDENONでスピーカーはJBLという組み合わせ。JBLはクラシック音楽で定評があるとかで、キース・エマーソンのA面が偶然にも試聴に最適だったって話なのさ。結局ハードロックばかり聴いてたからあまり関係なかったけどね。そんなエピソード+本格的にレコードを聴き始めた頃に買ったアルバムだから、QUEENの「オペラ座の夜」や泉谷しげるの「光と影」並みに思い入れがあるのです。だから個人的イチオシはコレ以外考えられません。邦題は「四部作」。今は「ELP四部作」と呼ぶらしい。2枚組4部構成。A面がキース・エマーソンでB面がグレッグ・レイクでC面がカール・パーマーでD面がEL&Pだから「四部作」。さすがプログレ班。シンプルなジャケ同様クラシックアルバム風の素晴らしい邦題だよね。グッジョブ!休止期間にそれぞれが作っていたソロ作品を結局EL&Pとしてまとめてリリースしたらしいんだね。正解だったでしょ。ELPにおけるそれぞれの役割が明確にわかるから面白い。キースのピアノコンチェルトはいかにもクラシックって感じがいいし、グレッグは深みのある男前ヴォイスで素晴らしいヴォーカル曲を聴かせてくれるし、カールもお得意の多種多様なインストを披露してます。3人のソロの中では、カールのC面が一番好きかな。EL&PサイドのD面は、すでにヤングジョッキーで聴いてたと思われる“庶民のファンファーレ”とオーケストラと共演した“海賊”という大作ですね。前者は純粋なオリジナルではないものの素晴らしいメロディが耳に残る名曲で今もケータイの目覚ましに使わせてもらってる。後者は2枚組のアルバムを締めくくるにふさわしい文句なしの代表曲です。ちなみに…キース・エマーソン・サイドにはジョン・メイヤーが、グレッグ・レイク・サイドにはKING CRIMSONの作詞担当準メンバーであるピート・シンフィールドが、カール・パーマー・サイドにはジョー・ウォルシュがそれぞれの得意分野で参加しています。



#119 / BRAIN SALAD SURGERY / 1973

★★★★★

EL&P 恐怖の頭脳改革 (320x320)

自身のマンティコアから最初にリリースした王道プログレの名盤と誰もが認める「恐怖の頭脳改革」です。何しろ全盛期ですから。幕開けの“聖地エルサレム”から終盤の大部分を占める“悪の経典#9”三部作まで、これまでにバンドが培ってきたものが凝縮されてると思います。キース丸出しの“Toccata”もグレッグ丸出しの“Still…You Turn Me On”もいいし、ホンキートンクな“用心棒ベニー”でさえいいアクセントとして機能しちゃってるもんね。あとは…当時はまだ無名だったH.R.ギーガーのジャケットだ。「エイリアン」のデザインで有名なあの人だよ。このインパクトも凄いよね。やはりアートワーク込みでプログレなのです。ジャケがメンバー写真ではプログレファンは納得しませんね。EL&PはKING CRIMSONとTHE NICEとATOMIC ROOSTERが集結し後にちょいちょい現れるスーパーグループの先駆けとなりました。つまりU.K.やASIAがこれに続いていくわけです。ただし、いくらビッグネームが集まってもだ、EL&P > U.K. > ASIAと変遷を重ねる度に、それが時代に合わせた順当な変化とはいうもののプログレ色が薄れていくのが残念で仕方がない。プログレファンは概ねそういう思いに違いない。最近デラックスエディションてのが出たので買い直してみました。名盤はいろんなマテリアルがあるので各種レビューを参考に、更にはお手持ちのオーディオのレベルによって、より良いモノを選びましょう。



#293 / TARKUS / 1971

★★★★★

EL&P tarkus (319x320)

2ndにして間違いなく代表作の1枚「タルカス」だね。タイトル曲はレコードのA面を全部使った組曲になってます。ちなみにジャケの絵(アルマジロ+タンク)がその主人公タルカスらしいです。「キーボードはギターの代わりになる」ことを証明した作品ではないでしょうか。聴いてるうちにギターレスだということを忘れちゃうよね。スリリングでエキサイティングで若さが漲ってます。キースだけじゃなくカールもグレッグも元気溌剌だ。このアルバムの主導権はキース・エマーソン。キースからアイデアを聴いたグレッグ・レイクは「自分のソロでやれば!?」と言ったとか。まあ確かにね、オリジナルストーリーを元にコンセプトが決まってたらグレッグ色はあまり出せませんわな。彼はアイドル系ですから。目立ちたいんだよね。とりあえず作詞を担当してヴォーカルが入る余地があったから良しとしたようです。ちなみに収録曲のひとつ“マンティコア”は後に彼ら自身のレーベル名になりました。



#500 / PICTURES AT AN EXHIBITION / 1971

★★★★★

El&P 展覧会の絵2 (320x304)

レコーディングは「タルカス」より前だったという3rdにしてライブ盤。ロックアレンジしたのはご存知ムソルグスキーの「展覧会の絵」でした。カセットテープに録音してよく聴いたアルバムだ。長い間live風のスタジオ録音だと思ってたらホントにliveだったんだね。この作品は後続に多大な影響を与えたんだよ。触発された世界中のプログレバンド(特にキーボードプレーヤー)がクラシック音楽のロックアレンジに挑戦することになりました。※スーパーグループ誕生「クリムゾン・キングの宮殿」に参加したグレッグ・レイクがNICEのキース・エマーソンと意気投合。ATMIC ROOSTERのカール・パーマーをヘッドハンティング。ギタリスト(ジミ・ ヘンドリックス)を入れる計画もあったそうだ。結果的にはギターレストリオで決着するわけだけどさ、とりあえずジミヘンは無いな。聴きたかった気もするけど…無いな。



#570 / WELCOME BACK, MY FRIENDS, TO THE SHOW THAT NEVER ENDS...LADIES AND GENTLEMEN / 1974

★★★★★

EL&P ladys and gentlemen (320x317)

当時アナログ盤3枚組という実況録音盤です。最初の4枚を発表後の全盛期、圧巻のライブなので間違いありません。海賊盤対策とベスト盤双方の意味合いを併せ持つファースル・ライブ盤となりました。グレッグ・レイクの声はいいね~。深みがあるし艶がある。若者たちよ、この人は「宮殿」で歌ってる人なんだよ。恥ずかしながら当時は、ハイトーンとかパワフルなメタルシンガーに嬉々としてたからむしろ好きじゃなかったのね。何だよ普通に歌いやがってみたいな。本当にすみませんでした。今はお気に入りです。ヴォーカル&ベースじゃナンバーワンかな。グレン・ヒューズ(DEEP PURPLE他)とかジーン・シモンズ(KISS)とかゲディ・リー(RUSH)とかジョン・ウェットン(KING CRIMSON他)とか個人的に候補はたくさんいるけれど、現状では彼が1位です。あ!ポール・マッカートニーを忘れてた。やっぱレイクは2位で(笑) CDフォーマットでは2枚組になって、バラけてた“TARKUS”(27分超)と“KARN EVIL 9”(35分超)がワンピースになってます。「WORKS」発表後にもライブ盤が出てますが、オーケストラを伴ったモロにワークス的な仕上がりになってます。「ワークス」は好きだからそれはそれで好きだよ。せっかくのオーケストラだから当然の如く“展覧会の絵”も演奏されています。ただね、一般的には最初に聴くなら断然こっちのライブでしょうね。タルカスの終盤で歌われる”エピタフ”とか、”石をとれ、スティル・ユー・ターン・ミー・オン~ラッキー・マン”のメドレーあたりがいかにもライブらしくて感動しました。



#665 / TRILOGY / 1972

★★★★★

EL&P trilogy (320x320)

スーパートリオの4thトリロジー「三部作」です。(ちなみに6thはワークス「四部作」だったね。ややこし~)ジャケはヒプノシス。当然ですがこれまたgreat!メジャーリーガーはやっぱり凄いっすね。モノが違うって感じ。タイトル曲もいいけどハイライトは前半でしょうか。個人的には着メロ御用達(1個前の携帯で目覚まし音に設定してたよ)の“Hoedown”もいいね。エマーソンの鍵盤とレイクの声があれば間違いないのね。そして次の作品がプログレ四大教典のひとつ「恐怖の頭脳改革」ってわけなのさ。ベストアルバムもいいけどね、このレベルのグループはとりあえず全盛期の作品は全部聴こうよ。ベスト盤はその後で楽しむべきものだと思います。代表曲のオンパレードを新鮮な曲順で!コレがまたいいんだな~。



#800 / EMERSON, LAKE & PALMER / 1970

★★★★★

EL&P (320x317)

すべてはここから始まった。記念すべきデビューアルバムです。最初からやってくれましたな。すでにそれぞれキャリアがあってのスーパーグループだから当然と言えば当然だけれどもだ、格の違いを見せつけてくれてるね~。代名詞のモーグ・シンセサイザー炸裂前夜なれど代表曲がたくさん収録されてるから避けて通るわけにはいかないと思う。とにかく『宮殿』のあの声が歌ってるんだからそれだけで間違いないっしょ。自らのアコギをバックに、キース・エマーソンの鍵盤をバックに、クリムゾンとは一味違った魅力があるよね。絶対に聴いておきましょう。ちなみにバンド名は見ての通りメンバーの名前を並べただけですが…アルファベット順?と思いきや年齢順だそうです。



#1103 / WORKS VOLUME 2 / 1977

★★★★

EL&P works volume2 (320x315)

新録音2曲、前作「四部作」と前々作「恐怖の頭脳改革」のアウトテイク、活動休止中にソロ名義でリリースしたシングル盤の曲を集めた変則アルバム「作品第2番」です。「展覧会の絵」を除けば(ライブ録音だから)7thアルバム。そういうわけでどうも評価が低いアルバムなんだけどね、「四部作」が好物なものだから結構楽しく聴けちゃうんだね。グレッグ・レイクの歌唱(ピート・シンフィールドとの“夢みるクリスマス”はさすがの出来)も、キース・エマーソンのクラシックではなくホンキートンクなやつも、カール・パーマーの相変わらず風変わりな(ジャズロック風とか)楽曲も、らしさが炸裂してると思います。曲の出来はイマイチでもオープニングの“孤独なタイガー”は当時エアチェックした想い出があるし、アルバムタイトルが付いている“恐怖の頭脳改革”はファンとして聴いておかないと気が済まないのです(笑) 「四部作」の続編とするなら、EL&Pサイドに収録されていた“庶民のファンファーレ”や“海賊”のようなトリオとしての大作が1曲あればもっと良かったかな。ジャケは良い。



#1400 / THE SPIRIT OF ELP / 2007

★★★★★

EL&P the spirit of ELP (320x320)

2016年12月7日プログレジャイアントの一人、グレッグ・レイクが亡くなりました。69歳。キース・エマーソンが亡くなって9か月後の訃報でした。癌で闘病生活を送っていたそうです。言わずと知れたKING CRIMSONのレジェンド。節目の1400枚目はすでにこの1枚と決めていた矢先の訃報でしたよ。虫の知らせってヤツでしょうか。というわけで本国でリリースされたのか定かではございませんが日本独自の企画盤ベストアルバムです。高音質K2HD仕様。どういう方式か詳細は省きますが、単純に音質が向上しているだけでありがたい。というわけで、コレに勝るベスト盤はございません。お勧めです。選曲はケチをつけ出したらキリがなくなるからコレで良し。デビューアルバムからほぼリリース順に聴くことができます。“ラッキー・マン”から“タルカス”への流れ。“ホウダウン”“トリロジー”“”聖地エルサレム“”スティル…ユー・ターン・ミー・オン“”悪の教典#9“の連続技。ディスク2は「四部作」から”庶民のファンファーレ“と”海賊“の大作2曲が収録され個人的にとてもうれしい。後半部分ではグレッグ・レイクのヴォーカル曲が中心となるので、暫しレイクの男前ヴォイスを堪能しようじゃないか。トリとして収録されているのは”夢見るクリスマス“…もうじきクリスマスだからね、聖なる夜に追悼しましょう。(※クリスマス明けにジョージ・マイケルの訃報。”ラスト・クリスマス“も合わせて聴こうか)最後に、盟友カール・パーマーのコメントです。「大いなる悲しみとともに、今、友人でバンド仲間のグレッグ・レイクにさよならを言わなければならない。グレッグのsoaring voiceとミュージシャンとしてのスキルは、EL&PやKING CRIMSONで作られた音楽によって誰もが知るところだ。1970年代に経験した素晴らしい日々と、共に演奏した数々の忘れられないライブが懐かしく思い出される。今年はキースも失ったので、レイクの死は我々全員にとって特に辛いものになった。”展覧会の絵“の最後でグレッグが歌っていたように、”死はすなわち生“なのだ。彼の音楽は今、彼を愛したすべての人の心の中で永遠に生き続けることができる。」
キースに続いてグレッグ…ちなみに今年アーノルド・パーマーも亡くなってる。パーマー違いですけどね(笑)



#1777 / WORKS LIVE / 1993

★★★★★

EL&p works live

79年にリリースされた実況録音盤「IN CONCERT」に7曲追加された完全盤です。当時の最新作「ELP四部作」を披露すべくオーケストラを帯同した大掛かりなツアーを計画したのですが、予算の都合によりオケと共演できたのは2公演にとどまったと。今作はそのうちのモントリオール講演が収録されました。紹介するのは「IN CONCERT」でもいいのだけれど、追加された曲のなかに”庶民のファンファーレ”と”タンク”が含まれているとなれば話は別。ワークス・ライブだからね。ただし同ライブビデオでは”海賊”も演奏されているにもかかわらずCDには収録されておらず、厳密には完全盤ではないのだけれど。四部作ファンとしては、カットされたのがよりによって”海賊”かよって話でね、何しろスタジオ録音からしてオケが参加してる曲ですから。長尺ゆえ収録時間の都合かもしれないが、ライブの目玉だったはずなのに。それでも、従来盤だと少々食い足りなさを感じていたファンにとっては、満足度が格段にアップしました。イントロのファンファーレに続く聞き覚えのある”ピーター・ガン”はヘンリー・マンシーニの曲。アメリカの古いテレビドラマのテーマ曲なんだけど、なぜ知っているのか心当たりがないという不思議。まあとりあえず「四部作」ファンはマストでしょうね。そしてできることなら真の完全版であるライブDVD(現在プレミア価格で手が出ない)をゲットしたいね。※そういえばDVD買ったよな…と思って探してみたら「BEYOND THE BEGINNING」ってのを持っていて…モントリオール1977は”海賊”だけが収録されてました。無意識にコンプリートってことで、めでたしめでたしと。



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