CACOPHONY
CACOPHONY(US/米)
#594 / SPEED METAL SYMPHONY / 1987
★★★★

速弾きギタリストブームの真っ只中、それぞれがソロデビューしてもおかしくないギタリスト2人を敢えて組ませたマイク・ヴァーニーの戦略。若き天才ジェイソン・ベッカーをデビューさせるにあたって、すでにHAWAIIで一部マニア(師匠のジモティーHとか)に知られていたマーティ・フリードマンを巻き込んだらしい。期待通り、カコフォニー(不協和音)ではないツインギターが炸裂してるので結果的にはマイクの思惑通り大成功。クラシカルな高速フレーズはジェイソン担当、オリエンタルというかエスニックというか、エモーショナル方面の音階がマーティの持ち味となっており、役割が明確なのがいいね。若き日のマーティだから速弾きもしていたはずだけど、高速ツインギターはどちらもジェイソンのプレイかもね。メインはあくまでもジェイソンで、マーティはサポートという気がする。一応ピーター・マリノという専任ボーカルがいます。ドラマーは、後にジェイソンのソロアルバム「パーペチュアル・バーン」でも叩くアトマ・アナー。でもベースはマーティが兼任ということで、何やら中途半端ではあるね。ツアーをする気はないということか。アルバムのハイライトは2曲のインスト、“Concerto”とラストのタイトルチューンでしょう。歌入りの中では“The Ninja”が印象的でした。この「お江戸感」はもちろんマーティによるもので、とりあえず「忍者」のイメージではないけれど、ハードな曲調にファニーな雰囲気を醸しており、和メロハードロックの中では抜群の出来だと思う。この頃にはすでに、日本の歌謡曲を聴いていたに違いない。他の曲も基本的にハードロックしてるところが好きです。
#1576 / GO OFF! / 1988
★★★★

両ギタリストともにソロデビューを果たした後の2ndアルバムです。ソロアルバムで力を使い果たしてしまったのか、あまりパッとしない仕上がりでしょうか。ハイライトはタイトルチューンのインストになるんだろうけど、それ以外はあまり印象に残りません。デビューアルバムと比較するとギターも物足りない。ヴォーカルは当初からB級感が漂っていましたが、今回はC級感に降格(笑) 単純に録音の仕方が変わったからか、歌い方が変わったからか、結局のところ曲の良さに助けられていたと見るのが妥当でしょうか。歌が出てきた瞬間のがっかり感がハンパねえっす。ヴォーカルが代わったのかなと思ったもの。ベーシストが加わりました。ドラマーも交替してますが、アルバムで叩いているのはディーン・カストロノヴォということで、ツアーに出るための布陣でしょうか。このアルバムを最終作にバンドは解散。ジェイソンはDAVID LEE ROTHのバンドに、マーディはMEGADETHにそれぞれ加入することになるのでした。ご存じの通りジェイソンはALSで闘病中。もう50歳を超えたのかな。もう話すこともできないそうだ。ちなみにマーティさんは昭和37年生まれ。タメなんですね。