BADFINGER
BADFINGER(UK/英)
#406 / THE VERY BEST OF BADFINGER / 1995
★★★★★
前身バンドのデビューは1968年で、活動時期がビートルズと被っている古株です。バッドフィンガー名義でのデビュー作はアップル・レコードからリリースされ、ビートルズの弟バンドとして売り出されたグループ(その後もアップル関係のセッションに多数参加)なので、ハードロック史に登場することは少ないのですが、ギターをもっと歪ませて、ソロを長めに弾いたりすれば、方向性は違うけれど、ZEPに取って代わるハードロックのオリジネーターになっていたかもしれません。個人的には“No Matter What/嵐の恋”(全米8位)と“Day After Day”(同4位)が聴ければいいと思っていたので、ベスト盤しか持っていません。これらの曲は初めて聴いた気がしなくてね、まあビートルズ同様、それ以前にどこかで無意識に聴いていたのでしょう。NILSSONがカバーして全米No.1にした“Without You”が一番有名なのかな。あとは、リンゴ・スターが出演した映画「マジック・クリスチャン」(オールスターキャストのコメディで、映画チラシはよく覚えている)の主題歌”Come and Get It/マジック・クリスチャンのテーマ”はポール・マッカートニーが作詞作曲し、シングルが全英4位、全米7位を記録しています。その他の曲も概ねクオリティが高い。ビートルズが目をかけただけのことはある。では最後に悲しい結末を。バンドのマネージャー(犯罪組織と繋がりがある悪徳Mgr)への抗議のため、75年にリーダーのピート・ハム(G/Vo)が首吊り自殺。遺書には「スタン(Mgr)を道連れにする」と書かれていたそうです。3年後に活動を再開するもバンドは分裂、しかも”Without You”の利権を巡る訴訟にまで発展するに至り、83年にはトム・エヴァンス(G/Vo:リヴァプール出身)が首吊り自殺。バンドの中心人物が相次いで亡くなるという悲劇のグループでした。