Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

ATOLL

ATOLL(France/仏)

#226 / L'ARAIGNEE MAL / 1975

★★★★

Atoll 夢魔

フランスのYESと言われていたプログレバンドの2ndアルバムです。四人囃子が「日本のPINK FLOYD」と呼ばれていた感覚に近いんでしょうね。似てる部分もあるから大きく括ればってことだな。そもそもほとんどのバンドがそうだけど。アルバムタイトルは発音すら分かりませんが、とりあえず邦題は「組曲『夢魔』」です。フレンチ云々を超えた、ユーロプログレの傑作ということで間違いなさそう。幻想的でもあり、攻撃的でもあり、テクニカルでもあり、ジャズロックテイストまであるというてんこ盛り状態の作品になりました。難解という説もあるけどね。もちろんTAÏ PHONGやANGEやPULSARと並んでフレンチプログレの代表格ですが、オランダのFOCUSなんかと肩を並べるヨーロッパ大陸代表と言ってもいいでしょう。ウチに現存する1本のカセットテープ「プログレッシブロック特集」(エアチェック音源)の中に、このアルバムの“カゾットNO.1”が入ってるんだね。手書きのインデックスには「カヅットNo.1 アドル」と書いてあります。当時のFMステーションに掲載していた通りに書いたまで、決して私のミスではない。こうした想い出込みで、個人的なアトールの代表曲と言えばコレ。アルバムとしては3rdがイチオシですが、思い出の1曲により今作をチョイスしてみました。フレンチらしからぬ洒落たジャズロックですが、個性的で素晴らしい。正直なところコレだけ聴ければいいかな。アルバムの2曲目に配置されており、直前のオープニング曲”Le Photographe Exorciste/悪魔祓いのフォトグラファー”がクリムソ・テイストの混沌プログレなものだから、ちょっと長めの前フリみたいに感じられ、結果的に”カゾット”を際立たせる形に。全体的にもフレンチプログという感じではなく、だからと言ってYESでもないし、今作に関してはクリムゾン臭が支配的。と思いきや、4曲目から7曲目までは曲間に切れ目がなく曲が進むにしたがって徐々にクリムゾン風味が薄まっていく。ヴァイオリンが存在するため、イタリアンプログレみたいなことになってます。期待が膨らむジャケットも秀逸ですな。ちなみに前出「プログレッシブ特集」のカセットテープには、フランス代表として先に挙げたバンドも入っているのですが…TAÏ PHONGはタイ・フーン笑、ANGEはアンジェ笑笑、PULSARはパレサー笑笑笑となっており、わざとやってるのかと思えるほど、ちょっとずつ違ってるし。



#577 / MUSICIENS-MAGICIENS / 1974

★★★★

Atoll musiciens-magiciens (316x320)

アトールのデビューアルバムです。概ねYES系に分類されているのは、ハードなインストパートとヴォーカルハーモニーのせいでしょうか。アートロック的なのかな…ハードロック寄りのシンフォプログレに仕上がってますね。デビュー作品としては間違いなく及第点です。フランスのプログレはイギリス、イタリアに次ぐ勢力だけど個人的には好きな作品が少ないんですね。というか、そもそもフレンチ・プログレそのものが微妙~って感じ。フランス語に感じる違和感は目を瞑るとしてもだ、お家芸のシャンソンとか、シルヴィ・バルタンみたいなフレンチポップとか…中途半端ではなく大胆に取り込んでほしいと思ってしまう…つまりは煮え切らない感じなのね。そんな中でもATOLLは好きです。フランスのプログレバンドの中で一番好きかもね。ジャケもいいじゃないの!とりあえず1st~3rdは聴いておきましょうか。MAGMAやGONG(コレは微妙か)など層が厚いフレンチプログレですが、代表選手ってことになるとANGEとATOLLでいいんじゃないかな。個人的にはATOLLとTAI PHONGかな。



#1088 / TERTIO / 1977

★★★★

Atoll tertio (320x320)

前作の大傑作「組曲“夢魔”」とはかなり印象が異なる3rdアルバムとなりました。これならフランスのYESと呼んでもいいかな…と思いきや、やはり他のバンドの要素も多い。例えば、ファンファーレ的な勇壮なメインテーマはEL&P的だし、幻想的な部分はP.F.Mをはじめとするイタリア勢を髣髴とさせる。何よりフランス語のヴォーカルがYESっぽくない。やっぱ楽器の一部のようなクリスタルヴォイスじゃないとね、熱唱されるとYESから遠ざかってしまうね。しかしながら、YES云々を無視すれば適度にアグレッシブでファンタジックないい作品です。ちょい難解だった前作にくらべ、とても分かりやすい作品であるゆえ、コレをATOLLのイチオシとする人の気持ちも理解できますね。2曲目の幻想的なスキャットは同郷のMAGMAの女性メンバー2名によるもの。



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