ANGE
ANGE(France/仏)
#576 / AU DELA DU DELIRE / 1974
★★★★
フレンチプログレの雄アンジュ(鈴木ではない)のイチオシは3rdアルバム「新ノア記」です。お手本となったのはGENESISが提示したプログレなのかもしれないけどね、途中で普通のハードロックみたいになったりもするところがポイントかも。邦題から想像できる通りコンセプトアルバムではありますが、そそられるジャケから勝手に想像した音楽とはちょいと違いましたね。芝居っ気たっぷりに、しかもフランス語で歌ってる(当然なんどけど)からフレンチ・フィルム・ノワールといった趣です。分かり難いかもしれませんが、アラン・ドロンやジャン・ポール・ベルモンドがミートローフの曲をやってるみたいにも聞こえる(笑) 終盤ジャケの農夫が新天地に到着して新しい歴史が始まる場面(想像ですが)はさすがに胸が高鳴るね。
#1094 / GUET-APENS / 1978
★★★★
ATOLLやMAGMAと並ぶフレンチプログレの筆頭アンジュ(幸せな子と書いて「幸子」ではない)の8thアルバム「異次元への罠」です。全盛期が終わった直後のアルバムという気がしないでもないですが、想い出の1曲が含まれてるから特別なんだね。例のユーロプログレが録ってあるカセットテープですよ。曲数が多すぎるからヤングジョッキーではなかったと思うんだけど…とにかくエアチェックテープなのさ。そこに録音されている“羊飼いのポケットの中に”がその1曲ってわけ。ぶっちゃけコレ以外はどうでもいいんですね。演劇仕立てのヴォーカルは変わるべくもなく、ハードなギターが無くなったぶん更に聴きどころが減った気がする。初めてANGEを聴くなら、やはりコレ以前の作品をおすすめします。70年代後半はすっかりプログレ斜陽期なんですね。演りたいことは前面に出さず、テクノかポップかAORに歩み寄らないと生き残れなかった時代でした。