Stop thinking you can't do things and start thinking you can. Your future is whatever you make it, so make it a good one.

人間椅子

人間椅子(JPN)

#405 / 人間椅子 / 1990

★★★★★

人間椅子 人間失格 (320x320)

今回の「人間失格」は御存知太宰治ですが、一番好きなのは江戸川乱歩らしい文芸ギタリスト和嶋慎治と、妖怪+ギャンブルなベース鈴木研一、そしてドラム(今回は上館徳芳)のトリオ。で同級生のワジーと鈴木はBLACK SABBATHリスペクトなわけだね。つまり…サバス+日本文学+妖怪+仏教+ギャンブル+津軽弁≒人間椅子ということで概ね良さそうだ。イカ天出身なのはどうでもいいけど、現在のドラム(12thアルバム以降)は元GENだって。どういう経緯か知りませんがやっぱり同窓生の絆があったわけだね。これはメジャーデビューアルバムです。初期の作品にインパクトがあるのは間違いないとして結局どのアルバムを聴いてもハズレた感は少ないと思う。ただし、歌詞カード無しだとキツい!仏教用語をはじめとする専門用語やら方言だけならまだしも、そこに独特の歌い回し及び滑舌の問題が加わって…おそらくそこが好き嫌いの分かれ目になるでしょうな。ワジーと鈴木がヴォーカルを分け合うスタイルです。(聴きとりにくいのは鈴木)日本文学を題材としているものが多く、歌詞は独特で偏執的でもある。それにしても、両氏ともに演奏する姿は実にかっこいい。このアルバムだと“天国に結ぶ恋”(和嶋)がぶっちぎりのお気に入り。ライブの定番“針の山”は歌詞を変更したBUDGIEのカバー曲だよ。



#495 / 桜の森の満開の下 / 1991

★★★★

人間椅子 桜の森の満開の下 (320x320)

桜の下には死体が埋まっている…名曲“夜叉が池”を収録した2ndアルバムでございます。今回のアルバムタイトルは坂口安吾(ノイタミナ枠で安吾作品をアレンジしたアニメがあったね)の短編小説で1stアルバムの最後の曲名でもあります。なかなか洒落た手法じゃないか。この法則だと3rdアルバムのタイトルは「太陽黒点」というわけだが、そうはならなかったね(笑) 今回は1stに比べると全体的には地味な感じがしないでもない。まあサバス度の塩梅は好みの問題だから、ハマらない作品も出てくるわな。次のアルバムではまたプログレッシブなドゥームメタルに戻ってるからね。トリオでこの手の音楽だと、ちょい先輩のDOOMが思い浮かぶ。KING CRIMSON流儀のプログレッシブな楽曲ってところで共通点があるよね。タイプは違えど共に強烈な個性を持ってらっしゃる。というわけで、上館のドラミングを聴けるのは3rdアルバムまでってコトもあり、オリジナルメンバーで作られた初期3枚は名盤ということでいいと思います。



#887 / 黄金の夜明け / 1992

★★★★★

人間椅子 黄金の夜明け (320x320)

この3rdアルバムだとオープニングのタイトル曲と“幸福のねじ“と“審判の日”と“無言電話”が特に好きかな。プログレ並にどれも構成が凝ってるね。他に類を見ないスタイルが最大のセールスポイントだ。やってることは古いんだけど和テイストが加わると新しい。文芸ロックとはよく言ったものだね。しかし、オリジナリティって大事よね。毎回問題になるヴォーカルですが(笑)歌詞を聴きとるのは至難の業。歌詞カードを見ながら聴くのが人間椅子に対する正しい姿勢のような気がするが、めんどくさい人は英語のつもりで聴けばいいんじゃないか。とりあえず英語よりは理解できるから。聞き取れた時にはテンション上がったりしてね。英語じゃないのに!初期作品は特になんだけど、ヴォーカルを除く(笑)70年代スタイルがいいんだな。ギターだけでなくベースもかっこいい。



#1113 / 踊る一寸法師 / 1995

★★★★

人間椅子 踊る一寸法師 (320x320)

人間椅子のアルバムを最初に買ったのはリサイクルショップ。ワゴンセールで100円とかで売ってた3枚(1st~3rd)でした。4thまでの4枚だったかもしれない。それはともかく…偶然安く手に入れたものだから、例えば新品購入したものほど熱心に聴いたりはしなかったりするよね。イカ天で知ってたからまあこんなもんだなってことで、その時は1度聴き流しただけでCD棚に収納。そんな出来事も忘れかけた頃、師匠に人間椅子持ってる?と訊かれて貸したわけよ。その後逆に2枚のアルバムを借りまして、それがこの5thと「見知らぬ世界(10th)」でした。間が飛んでるのは…たまたま中古で安かったのを買ったからですか師匠?この2枚を狙い打ちしたわけじゃないよね。現に、師匠のお気に入りは初期作品だし。で、どちらかと言えば、師匠に借りたこの2枚でマイ人間椅子ブームに火が付いた次第。昔よりヴォーカルが明瞭になってるじゃん(笑) へヴィさとポップさ?が増強されて大好きなBLACK SABBATHのVol.4あたりに近づいてると思いました。概ね好きですが特に“エイズルコトナキシロモノ”が秀逸だね。曲展開は抜かりなし、それにも増して歌詞の載せ方が素晴らしいです。ジャケのインパクトも…何これ!



#1333 / 二十世紀葬送曲 / 1999

★★★★

人間椅子 二十世紀葬送曲 (320x320)

デビュー10周年の節目(そして世紀の変わり目)にリリースされた8thアルバムです。ドラマーは4thで叩いて前作で出戻った後藤マスヒロで、今作にてバンド史上初めてドラマーが作曲しております。曲の出来は普通。全体的には曲展開の妙が炸裂する好盤だと思うよ。PVを見た記憶があるからリーダートラックだと思われるオープニング“幽霊列車”はキャッチーなサビメロが印象的。曲展開も抜かりなし。続く”蟲“は鈴木の真骨頂にしてこれまた曲展開が良い。さらに定番のワジーが歌う”恋は三角木馬の上で“もワルツが挟まる構成で面白い。三角だから三拍子ってことだろうね。以上冒頭3連発も破壊力充分ですが…個人的ハイライトは”暁の断頭台“かな。途中の展開(鈴木の擬声語歌詞が嵌まってる)が堪りませんな。あとは何てったって”サバス・スラッシュ・サバス“だね。スラッシュメタルのリズムに乗せてBLACK SABBATHへのリスペクトってとこでしょう。”SABBATH BLOODY SABBATH“を意識したなら”サバス・スラッシー・サバス“だと思うが?BLACK SABBATHのメンバー紹介まで挟んだ下らない歌詞もいい。スロットが当たらない時に叫ぶ言葉も、車にはねられて死にかけてる時に祈る言葉も、死刑執行日に残す言葉も”Black Sabbath“だそうです(笑)



#1515 / 見知らぬ世界 / 2001

★★★★

人間椅子 見知らぬ世界 (320x320)

師匠に借りた10thアルバム。コレと「踊る一寸法師」から人間椅子にハマったのは過述の通り。だが一般的にはカタログ中の優先順位は低いかも。ワジーのヴォーカルが目立つワジー作品(10/13を作詞)と思いきや、結果的には鈴木の存在感が増した作品だった。“さよならの向こう側”に代表されるポジティブな歌詞とキャッチーな歌メロが印象的で新機軸だとは思うが、トータルすればアルバム中のアクセント的役割以上のモノではない気がする。人間椅子らしさを鈴木が堅持しているからこそ、ワジーの自由が許されるってことでしょう。オープニングの“死神の饗宴”から“涅槃桜”続く“侵略者”そして前出曲が挟まって“人喰い戦車”までの流れはさすが。中盤の長めの曲でトーンダウンするものの…変拍子が冴えわたる“魅惑のお嬢様”、Tレックス風のイントロやクリーントーンのギターソロや直球フランジャーサウンドがおいしい“悪魔大いに笑う”、そして棺桶ロック”の秀逸3連発でエンディングのタイトルチューンに繋げます。今回もドラマチックな曲展開に抜かりなし。同タイトルの映像作品もあります。師匠が持って来た際にお馴染みのメンバーで観賞しましたが、映像そのものは固定カメラで学園祭レベルでした。そのショボさが気になりすぎて演奏に集中できなかったな。酒も飲んでたしね。VHSならで安く手に入ると思います。



#2128 / 頽廃芸術展 / 1998

★★★★

人間椅子 頽廃芸術展

ドラマーが「羅生門」で叩いた後藤マスヒロに戻った7thアルバムです。ここから11th「修羅囃子」までこの体制が続きます。鈴木のヴォーカルはアルバムを重ねる毎に聴き取りやすくなってます。個性失っちゃうよ、と思いきやまだまだ十分に個性的なので、これは好ましい変化だね。てか普通に歌えるんだね。その鈴木作品が本領を発揮しているアルバムです。一番のお気に入りは“血塗られたひな祭り”だ。わかりやすい和メロが秀逸で当然ながら曲展開もドラマチック。あとはお得意のギャンブル物“エキサイト”のエキサイトっぷり(笑)もいいし、“銀河鉄道777”もタイトル通り当然ギャンブル物だよ。ワジー作品だと“天体嗜好症”が良かった。曲自体もイケてますが、特にイントロのギターが、らしからぬ感じで良かった。ギターのトーンが4th以降のサバス(アイオミ)って感じですな。不穏な空気感を纏ったエンディング曲”ダンウィッチの怪”(曲は鈴木とワジーの共作)や、“村の外れでビッグバン”(鈴木の曲かと思いきやワジー)も良かった。以上、毎度似たような締めコメとなりますが、人間椅子のアルバムはどれを聴いてもそれなりに楽しめるって結論なのね。



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