フード・ブレイン
フード・ブレイン(JPN)
#1374 / 晩餐 / 1970
★★★★
リアルタイム以前の昭和45年にこれを演っていたのかと思うと凄い。70年頃の日本のロックはニュー・ロックと呼ばれています。その正体は欧米で言うところの所謂サイケ・ロックであり、そこから派生したハードロックやプログレッシブ・ロックも含まれていたようです。結構曖昧な括りで、要するにデビューした年が重要みたい。分かりやすい例としては…ブルース・クリエイションはニュー・ロックだけどクリエイションはハードロックとか。四人囃子に至っては、ニュー・ロックでありアート・ロックでありプログレでもあると…。そんなニューロックを代表するバンドの一つFOOD BRAINです。当時のスーパー・グループらしい。ギターが陳信輝、ドラムがつのだ☆ひろ、キーボードが柳田ヒロ、ベースが元ゴールデン・カップスの加部正義という布陣。この唯一作最大のポイントは全編インストだってこと。プログレ寄りのサイケロックだ。まずジャケが「象」だし。PINK FLOYDの「牛」を越えてやるぜってことかな。各楽曲のタイトルもプログレチックだ。オープニングの“ザット・ウィル・ドゥ”がとにかくカッコいい。ベーシストが凄いんだろうね。ウネりまくってる。概ね柳田ヒロのオルガンが曲を引っ張る構図です。ウッドストックに出演しても何ら遜色無いレベルだよ。下手なヴォーカルを入れずに大正解だったね。この演奏に対抗するにはカルメン・マキ級じゃないとダメだ。残念だったのは終盤のインプロビゼーション。KING CRIMSONを意識したのか、アイデアはいいとしても長すぎる。で、そのままアルバムが終わっちゃうもんだから、聴後の印象があまり良くないです。